チャボホトトギス

●チャボホトトギス

丈が高くならない(2~3cm程度)ことから、チャボ(矮鶏)の名があります。四万十川では、チャボ(黄花系)、ヤマ、ヤマジノ(白花系)の3種のホトトギスが自生しており、その中で最も普通に見られます。林縁に生え、普通、半日陰の湿った土壌を好みますが、撮影場所は、明るい岩石地で、高山植物のような雰囲気があります。

(2013年9月8日撮影、高知県四万十市)

オニルリソウ

●オニルリソウ

花が小さい(3mmほど)、暗い場所(森林)、風が強い(高山)という三つの悪条件下で撮影したため、葉や茎が写ってなく、申し訳ない写真ですが、全体の雰囲気は、ハーブのコンフリーに良く似ます。崩壊地、掘削地、伐採跡地などに真っ先に生える性質があります。ホタルカズラやヤマルリソウなどと同じ仲間で、花は鮮やかな青色をしています。集まって咲くと、散開星団(プレアデスなど)のように目えます。

(2013年9月8日撮影、高知県四万十市)

タコノアシ

●タコノアシ(四万十川百名花の93)

海浜湿地ではないが、海に近い湿地に生えます。山間の湿地に生えることは、有りません。以前は、それほどまれな植物ではありませんでしたが(高知県準絶滅危惧種)、この植物の生える湿地というのは、開発の対象になりやすく、ここ数年で、多くの自生地が消失しました。黄色から赤信号に変わっており、保護策が急がれます。名は、花の形をタコの足に見立てたもので、花後、赤く熟すると、文字通り、タコの足になります。ただし、花序の数は8本とは限りません。

(2013年9月10日撮影、高知県四万十市)

ムカゴトンボ5●ムカゴトンボ

常緑樹林帯の開けた場所に、極めてまれに生える植物。ランの仲間であり、見つかれば、園芸採取による絶滅も心配されます。崩壊地など、まだ若い森林相に生える傾向が強く、道路沿いの、いかにもコンクリート貼りになりそうな法面に多いことから、本種に限ったことではありませんが、工事前には予め有識者の指導が必要と思われます。名は、花の形をトンボに見立てたもの。(2013年9月10日撮影、高知県四万十市)

ミヤマウズラ

●ミヤマウズラ

ミヤマの名はありますが、標高の高い山にはありません。林縁の湿度の高い土壌に生え、ランの仲間としては園芸採取の被害も少なく、四万十川では比較的普通に見られます。名は、白い斑入りの葉をウズラの羽の模様に見立てたもの。

(2013年9月10日撮影、高知県四万十市)