クルマバナ

●クルマバナ

名は、輪生状に花を付ける様を車輪に見立てたもので、更に段状になります。四万十川では里山から標高1000mを超える高山まで、広く分布します。花が完全に輪生している個体は少なく、まばらに付いているものがほとんどで、そんなに見映えはしませんが、それもまた、この植物の特徴と言えます。(2013年9月14日撮影、愛媛県西予市)

シオガマギク

●シオガマギク

四万十川では標高1000mを超える山地草原に見られます。草丈30~80cm程度の半寄生植物で、大きくなるほど傾くようになります。花はらせん状になって付きますが、完全ではなく、まばらになっているものが多い。シオガマの名は、浜で見られる塩釜が美しいことと、本種の葉が菊のように端正で美しいことをなぞらえて、「浜で美しい」を「葉まで美しい」と先人が洒落て付けたことに由来します。(2013年9月14日撮影、愛媛県西予市)

アケボノソウ2●アケボノソウ(四万十川百名花の98)

四万十川では深山の渓流沿いに多いですが、標高1000mを超える山地草原でも見られます。寒い所から順次開花して、高山では9月にはもう開花しますが、最下流の四万十市周辺では、10月下旬頃になります。名は、花にある斑点模様を明け方の星空に見立てたものですが、花自体、星のような形をしていますので、花の集まりが星空、星座のように見えます。

(2013年9月15日撮影、高知県津野町)

オトコエシ

●オトコエシ(四万十川百名花の67)

四万十川では、里山から標高1000mを超える高山まで、ごく普通に見られます。名のオトコエシは「男郎花」と書き、オミナエシ(女郎花)とは同じ仲間になります。オミナエシの花は黄色で、葉、茎は無毛、オトコエシの花は白く、茎、葉には荒い毛があって、オミナエシと比べて葉の裂片(幅)が広い、などの違いがあります。オミナエシの方は個体数がずっと少なく、全体的な姿と共に、本種の方がたくましい感じがします。

(2013年9月15日撮影、高知県津野町)

シコクブシ

●シコクブシ

名の「ブシ」はトリカブトの意で、つまり「四国に産するトリカブト」になります。四万十川では標高1000mを超えると、林縁、渓流沿い、山地草原、いたるところで見られます。石灰岩地に多い傾向があります。猛毒植物として有名で、誤食すると高い確率で死亡します。ただ、あまりに恐れる心配は無く、触れる程度なら大丈夫で、観賞、撮影するには、全く問題ありません。日当たりのよい場所では茎は直立しますが、林縁など法面では、茎は垂れ下がるようになります。花の色は普通、紫ですが、個体差があり、ほとんど白に近いものも見られます。

(2013年9月15日撮影、高知県津野町、梼原町)