ツクシクサボタン

●ツクシクサボタン

四万十川には、クサボタンと名の付く植物が2種あって、こちらは石灰岩地=津野町、梼原町に分布、これより花期が遅いオオクサボタンが四万十層=四万十市~四万十町大正まで及び梼原川沿いに分布していています。葉は三出複葉でボタンに似ますが、学(属)名は、Clematis (クレマチス)で、同名の園芸種によく似た花を咲かせます。オオクサボタンより花、葉とも一回り小さく、葉の表面は無毛(オオクサボタンは有毛)で、花後、果実は白髭のようになります。(2013年9月15日撮影、高知県津野町)

アキチョウジ2

●アキチョウジ(四万十川百名花の78)

深山の水路、渓流沿い、林縁など、半日陰の湿った場所に見られます。よく群生して、満開時には、ハーブのセージを思わせます。葉の両面には、やわらかな毛が生え、葉の基部がやや赤味を帯びます。(2013年9月15日撮影、愛媛県西予市)

ヤマホトトギス2

●ヤマホトトギス(四万十川百名花の96)

ヤマジノホトトギスによく似ますが、葉が無毛、葉の幅が広い、花が散房花序(スプレー状)になる、花弁が反り返る、ことから区別出来ます。四万十川では里山から標高1000mを超える山地まで広く分布し、林縁に多く見られますが、高山では、山地草原でも見られます。四万十市内でも普通に見られる植物ですが、今年は高温、少雨の影響か、開花期に地上部が無くなっており、かなり標高の高い場所で撮影しました。

(2013年9月15日撮影、高知県梼原町)

ラセンソウ

●ラセンソウ(四万十川百名花の85)

有名な菩提樹と同じシナノキ科の植物で、四万十川に分布する同じ科の植物はカラスノゴマとこの2種のみ。畑の周囲や、元々あまり自然度の高くない場所に生えます。そのことが逆に雑草として扱われ、除草の対象となって、今では、ほとんど見られなくなりました。自生地もしくは群生地が、短期間で消失することの多い植物です。

(2013年9月16日撮影、高知県四万十市)

キオン3

●キオン(四万十川百名花の70)

四国(高知県)では分布域が狭く、四万十市西土佐黒尊~愛媛県宇和島市にかけての鬼が城(標高1151m)山系だけに見られます。標高1000mを超える山地草原、岩石地など日当たりの良い場所を好みます。従って、県全体で見るとまれな植物であり、絶滅危惧種に選定されています。最近、群生地にたくさんの記念植樹がされており、植樹自体は悪いことではありませんが、場所の選定等、予め有識者の指導が必要と思われます。

(2013年9月16日撮影、高知県四万十市)

ヒメヒゴタイ2

●ヒメヒゴタイ(四万十川百名花の73)

名は「姫平江帯」と書き、九州の草原に生えるヒゴタイに似て全体に小さいことによります。山地草原に生える2年草(開花、結実後、枯死する)で、ロゼット及び下部の葉は羽状に切れ込みますが、上部では切れ込みが無くなります。種子によってのみ繁殖しますが、タンポポのような毛があって飛散することから、同一場所に生えることはありません。また、年によって出現(開花)する個体数に、かなりバラつきがあります。

(2013年9月16日撮影、高知県四万十市)