四万十川の姿

「上流域の農山村と流通・往来」中土佐町

中土佐町大野見地区の文化的景観は、四万十川本流沿いに開かれた農地を中心とした区域と、国有林などの山林を中心とした区域で構成される。

大野見地区の95%以上を占める森林は、藩政期にはお留め山として管理され、明治期には国有林となった。これらは、明治・大正・昭和の木材需要に応え、次々と伐り出され、四万十川の水運から久礼港、須崎港への陸運で搬出され、地域の経済を支えた。そして、天然林の残る、島ノ川国有林区域は、天然林の保護や回廊域の複層林化を中心に自然保養区域としても位置付られている。

また、四万十川本流沿いは、中世から堰による灌漑を行い農地を開墾してきた歴史がある。“川は近いが水は遠い”と言われたこの地域には、四万十川本流沿いに12か所ある堰のうちの6か所が集中し、人々が開拓、灌漑に費やした苦難の歴史が伺える。

中土佐町URL:http://www.town.nakatosa.lg.jp/