四万十川流域topics

四万十川財団ニュース

四万十川の姿

四万十川財団について

清流通信四万十川物語

四万十川流域の文化的景観

四万十リバーマスター

四万十ブランド認証品

四万十川で泊まる

四万十川財団リンク集

自然といきもの 魚・水生生物

四万十川は現在全国トップレベルの魚種数や水生生物数を持っており、アカメやクロホシマンジュダイのように他の河川ではあまり見られない魚もいます。しかしアユやテナガエビの漁獲量の減少に見られるように、河川環境の悪化が進んでおり、カジカなど絶滅したといわれる種もあります。

魚類

四万十川水系の魚ゴリの写真

■四万十川水系の魚

四万十川には150種を超える魚が生息していますが、これは吉野川と並んで全国で最も多い魚種数です。魚は全ての種類が流域のどこにでも棲んでいるのではなく、水温や河川相に応じて棲み分けています。
四万十川のような大きな河川では河川相は上流・中流・下流・汽水の4つに区分されます。上流域は落ち込みと滝壷や淵が連続した冷水域で魚の代表種はアマゴです。中流域は河川の屈曲部から次の屈曲部までに早瀬・淵・平瀬が1単位となって組み込まれており、代表種はオイカワとアユです。下流域は100mを超える長い淵と淵の間に平瀬が介在しており、代表種はコイに変わります。汽水域は海水の影響を受ける区間で、四万十川では河口から四万十市(旧中村市)の赤鉄橋までの10kmが相当し、底質は砂利か砂泥となります。特に代表種は設けられていませんが、四万十川の場合はアカメ(ミノウオ)が有名です。淡水域の全域に棲む魚種としてサツキマス・カワムツ・ウグイ・アカザ・ウナギ・ドンコなどがあげられます。その他オイカワやブラックバスなどの移入魚もみられます。
純淡水魚のタモロコ・ヤリタナゴ・イシドジョウ近似種、汽水域のアカメとクロホシマンジュウダイは他の河川ではほとんど見られない魚です。


■海水魚の遡上

四万十川は純粋の海水魚が河口から80kmあまりの中流域まで遡上する特有な河川です。確認された遡上としては、旧大正町のボラ、旧十和村のスズキやシマイサキ、旧西土佐村のキチヌやギンガメアジなどがあります。
海水魚の遡上の理由として
1.河口が閉塞していないこと
2.河川と海の水温差が小さいこと
3.勾配が緩やかで水量も多く遡上を妨げる障害が少ないこと
4.河川水温の上がる春から初夏にかけてアユやゴリ類の稚魚や稚エビ稚カニの遡上が盛んで餌が豊富なことなどが挙げられます。


津野山アユの写真

■津野山アユ

津野山アユは四万十川の上流よりで獲れる大型のアユで、鼻が曲がり頭から背びれにかけての背縁がカラフトマスのように盛り上がっているのが特徴です。平均全長は25~26cmで体重200gに達し、中には33cm・400gの大物も記録されています。津賀ダムにより梼原川上流で従来のような大型のアユは見られなくなっていますが、放流アユでも20cm以上で100gを超すアユが採捕され、津野山アユの面影を残しています。これら大型のアユは2~3月の遡上初期にのぼり始めた大きい稚アユが、数日で四万十川上流までのぼりつめ、成育に好条件の地点に縄張りを張れるため、成長が進んだものと考えられます。


アユの放流量と漁獲量のグラフ

■アユ・エビの漁獲量

アユは四万十川を代表する漁業資源で、日本の主要河川におけるアユの漁獲量は本流1km当たり約1t程度ですが、四万十川では約5tで年に800~900tの漁獲量がありました。しかし平成7年頃より減少し、平成9年には359tにまで落ち込みました。エビも昭和63年に38tあったものが、平成9年には21tとなっています。その理由として降雨量や流量の減少、水質の悪化、河川変化、農薬、濁水、成育場所の減少、稚アユの遡上の減少などが挙げられますが、これらの要因が複合的に絡まっていると考えられます。出典:農林水産統計


四万十川のアカメの写真

■アカメ

アカメは現在では四万十川の代表種となっていますが、和歌山県から九州に分布していた日本の固有種です。1984年に新種として学名がつけられたスズキ目アカメ科の汽水魚で、目の瞳孔がルビー色に輝くのでこの名があります。また鱗が非常に固くて剥がれにくいことから「ミノウオ」の異名があります。6~8月に海水域で産卵され、4mmほどの孵化稚魚が上げ潮に乗って河口域に入ります。四万十川の汽水域では幼魚が夏から翌春までアマモ場に生息し、エビや小型魚を捕食します。体長は大きくなると1.5mを越え2mのものも記録されています。成魚は四万十市(旧中村市)の伊沢や山路の下流に生息しボラなどを捕食しています。50cm前後のアカメは美味と言われ、刺身やタタキ、ちり鍋などで食されてきました。現在観賞魚としても高価で乱獲が心配されています。


クジラの写真

■クジラと四万十川のつながり

四万十川河口の四万十市の東隣幡多郡黒潮町は、暖かくて比較的浅い海域を好む体長12~14mのニタリクジラが沖合で頻繁に見られ、ホエールウオッチングの町として知られています。ご存じのようにクジラは海に棲む最大の哺乳類で、その棲息環境は“豊かな餌場”が条件となります。ですから、クジラが居着くほどの“豊かな生態系”には、森・川・海の大きな自然体系が必要とされるのです。
その地域に本来育つ様々な樹木からなる森は、栄養分豊かな土をつくりミミズや虫などの色々な動物を育て、これらを食べる鳥たちの棲家となります。森に降った雨水はスポンジ状の土に蓄えられ栄養分豊かな水を川に送ります。
川は森から送り出されたこの水で藻を育て、藻は虫や魚のエサとなります。栄養分豊かな川は海に注ぎ、植物プランクトンを育てます。植物プランクトンは動物プランクトンのエサとなり、動物プランクトンは小魚のエサとなります。
クジラは小魚やプランクトンをエサとします。四万十川流域がいまだ本来の森・川・海の生態系を保っていることの証拠の一つが、幡多郡黒潮町のニタリクジラだと考えられます。


ゴリの写真

■ゴリ

ゴリは淡水性ハゼ類の総称で、四万十川で見られるゴリとして上流域のカワヨシノボリ、中流域のオオヨシノボリ・シマヨシノボリ・ボウズハゼ、下流域のヌマチチブ・ゴクラクハゼ・スミウキゴリ・ビリンゴなどです。上流域のカワヨシノボリは陸封種ですが中流域以下のゴリはアユと同じように河川で成長・産卵し、孵化仔魚は直ちに流下して海に入り、稚魚期に再び遡上する両側回遊魚にあたります。


■スズキ

スズキ科の魚で、成長段階を追って名前が変わる出世魚として有名です。幼魚をコッパ、30cm以下をセイゴ、40cm前後をフッコまたはハネ、それ以上をスズキと呼びます。 遡上性の海水魚で、1年未満の幼魚だけでなく30cm前後の2歳魚も遡上し、四万十川での遡上限界は旧十和村とみられます。


アイキリの写真


■アイキリ

カジカ科のカマキリで高知県下ではアイキリやフチガマと呼ばれます。えら蓋にある鋭いとげでアユを引っ掛けたり、また淵にも生息するからです。清流性の魚で肉食性が強いため数が少なくなっています。周囲に応じて体色を変え石ころのような擬態をとることを石化けと呼びます。



ウナギの写真

■ウナギ

1975年当時までウナギは四万十川のいたる所で見られました。根岩の前方に丸石が積み重なっている場所では、石をめくりさえすれば何匹ものウナギが見られましたが、現在では激減しています。その大きな要因としてウナギの遡上期に沿岸や河口で行われる養殖用のシラスウナギ漁が挙げられます。


水生生物

ツガニの写真

■ツガニ

モクズガニのことで、ツガニは高知県での地方名。雑種性で小魚・カエル・藻類等を食べ1年で成熟します。ゆでたりツガニ汁にすると美味で食用として親しまれてきましたが、近年商品価値が増大し乱獲や、河川環境変化による減少が心配されます。


川エビの写真


■カワエビ

カワエビはどの川でも普通に見られるエビですが、暖地の河川である四万十川ではヤマトテナガエビやミナミテナガエビが生息します。テナガエビ類は四万十川特産の一つで毎年20t前後の水揚げがあります。





セイランの写真

■セイラン

四万十川流域では津野町の源流域と檮原町などで見られる緑藻類カワノリ科の植物。関東以西の太平洋岸に注ぐ河川の渓流だけに成育します。高知県ではセイランと呼ばれ食用とされてきました。独特の歯ごたえがあります。水温が1年を通じて約15℃と一定の清流にしか自生しない珍しい植物です。


アオノリの写真

■アオノリ

四万十川河口から7~9kmほど遡る一帯は汽水域で、水性植物群落が見られます。スジアオノリは川床の小石の表面に着生し10月頃から成育を始め、翌春にかけて川床を緑に染めあげます。ヒトエグサは河口に近い竹島川で9月下旬から成育する緑藻の仲間で、今ではアオサ養殖として河口域に張った網の上で栽培しています。その他、やや流れの緩やかな砂泥域に成育するアマモがあり、仔稚魚の保育場となります。