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四万十川の自然といきもの 動植物

気候的に暖温帯に属する四万十川流域では、中下流域の常緑広葉樹林から落葉広葉樹林まで植生の変化が見られ、その中間は推移帯となります。昆虫や鳥類・獣類はそれぞれの環境に応じた適応をしており、中には他の地域で見られないものも多くあります。

昆虫

ホタルの写真

■ホタル

四国で成虫が人間にはっきりわかるほどの光を出すホタルは、ゲンジボタル・ヘイケボタル・ヒメボタルの3種です。ゲンジボタルの幼虫は流れのある川で主にカワニナを食べて育ちます。ヘイケボタルの幼虫は水田のような水の流れない場所にもいてモノアラガイやタニシの仲間を主に食べています。ヒメボタルは陸生のホタルで幼虫はカタツムリなどの陸の巻き貝を食べて育ちます。


トンボ自然公園の写真

■トンボ自然公園

通称「トンボ王国」。愛称で親しまれるこの公園は、身近な自然を楽しむ中から自然保護意識を高めようと、「(社)トンボと自然を考える会」が、四万十市やWWFJ(世界自然保護基金日本委員会)の支援を受けながら、ナショナルトラスト方式で建設を進めているもので、世界初のトンボ保護区として昭和63年に開園。現在までに74種のトンボが確認されています。約50haの広々とした湿地と谷からなる園内には、四季折々の草花が咲き乱れる中に遊歩道が整備され、トンボの生態や人と自然との係わりなどが学習できる「四万十川学遊館」もあります。9~17時、月曜日休館。電話:0880-37-4111


タベサナエ・マイコアカネの写真

■タベサナエ・マイコアカネ

タベサナエもマイコアカネもトンボ公園及び四万十市周辺でしか見れないトンボです。タベサナエは日本に4種いるコサナエ属の一つで大きさは4~5cm、3月から5月頃まで見られる黒と黄緑色の可愛らしいトンボです。7~11月に見られるマイコアカネは大きさ4cm前後で梅雨時に羽化し、あまり移動せず近くの薮や林縁で成熟します。マイコアカネの名は雄の顔が青白いので白粉を塗った舞妓さんに見立てられつけられたものです。

鳥類

■四万十流域の野鳥

四万十川流域で四季を通して生息が確認されている鳥類は17目48科210種ほどで、特殊鳥類・絶滅危惧種も数多く、日本でも数少ない野鳥の聖域といえます。留鳥や夏鳥のようにこの地を繁殖地としているものでは、人里近くに生息するカワラヒラ・ホオジロなど、森林性のサシバ・オオルリ・サンコウチョウ・ブッポウソウ・アカショウビン・ヤイロチョウなど、水辺のカイツブリ・ヤマセミ・カワセキ・キセキレイなどがあります。渡来する冬鳥としてはツル類・ウ類・カモ類・チョウゲンボウなどのワシタカ類・アオジ・ミヤホオジロ・タヒバリなどが見られます。その他旅鳥も多く見られます。


アカショウビンの写真


■アカショウビン

全身が鮮やかな赤褐色のカワセミ科の鳥で全長28cmくらい。森林性の夏鳥で渓流のサワガニ・カエルなどを食べます。鳴き声は「キョロロ」や「ミズヒョロ」と聞こえます。




カワセミの写真


■カワセミ

ブッポウソウ目カワセミ科で全長17cmくらい。頭から背にかけては光沢のある青緑色で腹は栗色、くちばしが大きく水に飛び込んで魚を捕食します。





ヤマセミの写真


■ヤマセミ

カワセミ科の鳥で全長38cmくらい。白と黒の鹿の子模様で頭に冠羽があり、くちばしは黒。山地の渓谷に棲み、水に飛び込んで魚を捕食します。





ヤイロチョウの写真


■ヤイロチョウ

スズメ目ヤイロチョウ科で全長約20cm。尾は短く、羽色は緑・青・黄・赤・茶・黒・白などの美しい配色をしています。夏鳥として東南アジア方面から渡来し深い森林で繁殖しますが、昭和12年に四万十川流域で日本での繁殖が初めて確認されました。高知県の県指定天然記念物で、かつ県鳥に制定されています。




植生

帰化植物の写真

■帰化植物

近年四万十川辺に外来の植物が多く見られるようになりました。堤防や道ぶちではヒメジョオン・シマスズメノヒエ・オオイヌノフグリ・オランダミミナグサ・アメリカフウロウなどを見かけます。原産地は北アメリカ、次いで欧州・南アメリカの順に多く、その他中国・地中海・アフリカなど世界中に及びます。



■汽水域の植物

四万十川汽水域の川床ではスジアオノリが10月頃から成育を始めます。竹島川支流で9月下旬から成育するヒトエグサも緑藻です。その他、やや流れの緩やかな砂泥域に成育するコアマモがあり、魚の産卵や稚魚の保育場として重要な役割を果たしています。


ヤナギ林の写真

■入田(にゅうた)ヤナギ林

四万十市四万十川橋(通称:赤鉄橋)の上流河川敷に広がるヤナギ林で、長さ約2km・幅150~200mほどの林が本流筋に沿って細長く分布しています。アカメヤナギ・ネコヤナギ・ヨシノヤナギ・コリヤナギなど数種のヤナギが確認され、中には胸高直径が30cmを超すものもあります。



トサシモツケの写真

■トサシモツケ

初夏の川辺に白い花を咲かせるバラ科の植物。檮原町から下流に自生する自然河岸の主要なメンバーで、川の増水時には浸水する位置に生えています。白色5弁の小花が小枝の先に群生する落葉性の低木で、高さ1~2mほどになります。



アケボノツツジの写真


■アケボノツツジ

ツツジ科の落葉高木で花は葉の出る前に咲き、淡紅色で上面に黄褐色の斑点があります。津野町など源流域の山地で見られます。




キシツツジの写真

■キシツツジ

川辺で見られる低木群落の代表的な植物で、同じ川辺植生で四万十川の特産種であるトサシモツケやシチョウゲなどと混生しています。川が増水すると冠水する岩場に自生することが多く、4月ごろ開花します



稀少植物の写真

■稀少植物

生息域が限られていたり、四万十流域が四国内で唯一分布域となっている植物としてキンポウゲ科のオオクサボタン、ツツジ科のサクラツツジ、国の天然記念物のシダであるクサマルハチ、湿地生のタコノアシがあります。