「耕して天に至る」 見上げてごらん、それは人の手が築いたのです。
田んぼを作れる平地は、山あいにはほとんどありません。そこで「棚田」が生まれます。
石積みで斜面を補強し、水を引き、小さな田んぼを連ねていくのです。「子どもが生まれると、石を積んでその子が食べる分の田んぼを一枚増やす、そうやってご先祖さんたちは棚田を増やしてきたんだ」と伝える集落もあります。山肌を埋めるように並ぶ棚田の景観は、山を縫って流れる四万十川流域の特徴的な風景といえるでしょう。棚田の多い山間部は、寒暖の差が大きいことから、おいしいお米が育ちます。
あたり一面に広がる棚田の風景と、つやつやの美味しいご飯を目指して四万十川をさかのぼってみてはいかがでしょうか。
神在居の棚田(千枚田)
四万十川流域を代表する棚田と言えば、梼原町神在居地区の棚田です。地滑り地形で斜面地が多く平地が少ない梼原では、その斜面を利用して各地で棚田が作られました。なかでも神在居の棚田は、枚数も非常に多く、斜面の勾配もきついため、とても印象的な風景となっており、日本の棚田百選にも選ばれました。また、梼原を訪れた司馬遼太郎さんもこの棚田を絶賛されたと言われています。県道197号線を梼原方面に進み、梼原に入って2本目のトンネルを抜けると目の前に神在居の集落と美しい棚田の景色が現れます。神在居に水田が作られはじめたのは中世の頃とされ、1960年ごろには630枚を超える棚田が作られました。その後、区画整理や国道の改修工事もあり、棚田の数も現在は160枚ほどに減少し、高齢化、人口減少に伴い現状維持が困難な状況にありますが、1992年に全国初となる棚田オーナー制度を開始、棚田を通して都市部の人々と交流しながら保全活動に取り組んできました。
棚田オーナー制度 都市部の人に40,010(しまんと)円で農家の田んぼ100㎡のオーナーになってもらうことで、都市部と梼原町を繋ぎ、棚田の保全、地域の活性化につなげようという制度。オーナーになると農家から教わりながら田植えなどの農作業を体験できるほか、作業を通して農家と交流することができます。一部作業はオーナーが行う必要がありますが、日々の管理は農家が行ってくれるため安心です。これまで多くのオーナーが誕生し、田んぼが使われてきたことで耕作を放棄することなく棚田を維持することができました。オーナー制度は神在居の棚田保全の大きな役割を担っています。
関連情報
【スポット】神在居の千枚田
- 概要
- 梼原町神在居地区に拡がる棚田。広い斜面地に幾重にも重なる田んぼの景色が美しいです。
- 所在地
- 高知県高岡郡梼原町神在居
- 問い合わせ
- 梼原町産業振興課
- TEL
- 0889-65-1250
- 紹介ページ
- 梼原町観光情報
【体験】棚田オーナー制度(梼原町神在居)
- 概要
- 梼原町神在居地区の棚田のオーナーになって、お米作りが体験できます。
- 所在地
- 高知県高岡郡梼原町神在居
- 問い合わせ
- 梼原町産業振興課
- TEL
- 0889-65-1250
- 紹介ページ
- 梼原町観光情報
【商品】四万十源流棚田米
- 販売
- JA高知県 津野山営農経済センター
- 所在地
- 高知県高岡郡津野町北川2281-4
- TEL
- 0889-62-3501