37.オオヨシノボリ

37.オオヨシノボリ

オオヨシノボリ

ハゼ科

Rhinogobius fluviatilis

黒い点を見つけろ!!!オオヨシノボリ

基本情報

【全長】

10㎝

【生息地】

北海道を除く各地。

渓流~上流の転石が多いところ。四万十川では支流や二次支流に多い。

【体】

四万十川水系のヨシノボリの中でもっとも大型。ヨシノボリとしては、大きく育つことからオオヨシノボリと名付けられた。

胸鰭の付け根上方に大きな黒斑をもつことが見分けるポイント!

体側の横斑は不明瞭。ほほに斑紋がない。背鰭、尾びれ、尻びれの鰭条は濃色で淡い緑。腹部は白みが強い。

【生態】

ルリヨシノボリと混生していることが多いが、より水深のある所を好む。シマヨシノボリと生態が似ている。

産卵期のオスは垂直鰭の縁を除く全身が著しく黒くなる。メスへ求愛行動を始めるとほほの前に三角の明瞭な白色斑が1個出てくる。オスの方がメスより積極的な行動に出る。

孵化した仔魚は海へ下り、2,3か月を過ごし、1.5~2㎝に成長すると再び川に遡上する。

【食性】

雑食で付着藻類やカゲロウなどの水生昆虫を食べる。

個体数の減少・・・

近年、各地で個体数が減少している。

放置林の増加による河川内の日照不足で、餌となる水生昆虫が減少していることが原因だと言われている。

林業の衰退とともに多くの放置林が生まれている。放置林の木々が自由に生い茂り、川へと伸長しているのだ。そうすると川に日が当たりにくくなり、川の生物たちの食べる藻類が育たない状態の場所も多くあり問題となっている。

オオヨシノボリに限らず、多くの生物に影響していることは明らかだ。

しかし、木を伐りすぎると木陰をなくし、それもまた生物たちの休息場がなくなるのだ。

山と川はつながっている。山へも目を向けなければいけない。

≪参考資料≫

・川の生物図典 財団法人リバーフロント整備センター

・四万十川の魚図鑑 いかだ社

・日本の淡水魚 山と渓谷社