四万十川の食文化を体験する講座を「四万十川の味をしめる講座」と題し初めて試みました。
今年度、四万十川大人塾で食文化バージョンの連続講座を企画しましたが、参加者が集まらず断念しました。参加しやすいよう1回限りのイベントとして募集してみたところ・・・総勢19名の参加者が集まりました!

本企画では2つコースを用意しました。

①プレミアコース:リバマスとアメゴ釣り+調理体験+対談会
朝から源流域のリバーマスターと一緒にアメゴ釣りをしてから、お昼の調理と実食、対談を行うコース。
4名限定だったので早い段階で定員となり、その後も問い合わせがある状態でした。

②食文化体験コース:調理体験+対談会
お昼から調理と実食、四万十リバーマスターとの対談を行うコース。

講師 豊田庄二さん

豊田さんは津野町育ち、小さいころから川にどっぷりのリバーマスターさんです。特にアメゴについては、誰よりも詳しく話し出したら止まりません(詳しいのはアメゴだけじゃないですけれども)!(豊田さんについて詳しくはこちら→ 四万十リバーマスター図鑑 をどうぞ)

豊田庄二さん

講師 横山好史さん

高知市と津野町で2拠点生活中。豊田さんにアメゴ釣りを教わってから、川にどっぷりのリバーマスターさんです。

横山好史さん

講師のお二人と一緒に、前日アメゴを40尾炭火焼きして、会場の準備をして、準備万端です。

プレミア:リバマスとアメゴ釣り

さて、当日の朝8時。朝が早い!!
でも、とってもいい天気!
特別ゲストで、リバーマスターの掛水一彦さんも飛び入りで駆けつけてくれました。
ありがとうございました!

今回は、KUTVの『がんばれ高知!エコ応援団』の取材も入り、密着撮影していただきました。

エサ獲りの説明

挨拶後、最初に釣りエサとなる川虫を取りに川へ行きました。

早瀬の一本橋の下が良い瀬になっていて、たくさんのヒゲナガカワトビケラを捕ることができました。
それにしても水が冷たく、石をひっくり返すのが大変でした。

エサ獲り中!
たくさんとれました!(首から下げているのはエサ入れです)

少し上流の釣りの現場へ行き、釣り方の説明の後に、釣り竿と仕掛けの準備です。

竿に仕掛け中

釣り竿は渓流用の振り出し竿を使います。今回の竿は、四万十川大人塾卒塾生の吉本真次さんに寄付していただいたもの・貸していただいたものを使いました。吉本さん、いつもありがとうございます。

仕掛けは、0.6号のハリスにアマゴ鉤8号をつけ0.8号の道糸を結んだものです。
準備ができた人から釣りスタートです!

川釣り初心者の方ばかりだったので、仕掛けを仕上げるのに時間がかかりましたが、何とかスタートできてよかったです。

テグスを結ぶのが難しい

懸命に魚信(あたり)を探りますが、なかなか感覚がつかめず難しい!リバマスさんは「目印の動きを見る」と言いますが、慣れないとそれも分かりにくい。当たりがあった人もいたようですが、残念ながらお一人も釣り上げることはできませんでした(´;ω;`)

アメゴ釣り中!
アメゴ釣り中!

時間もなかったので、次回はゆっくりポイントを移動しながらやってみましょう!

アメゴ釣りは「渓流のぼり」と言うくらい岩をよじ登ったりながら上流に移動しますので、その醍醐味はまたいつか別の企画で・・・☆

アメゴのさつま汁と甘露煮

アメゴ釣りを終えたら津野町役場まで移動して、お次はアメゴの調理!
ここから一般コースの方も合流です。

作る料理はアメゴのさつま汁と甘露煮。

まずは大まかに調理方法を説明していただいた後、豊田さんにアメゴの下処理をやって見せてもらいました。お腹を裂かずに鹿角で内臓を取り出す方法で、これには全員が興味津々!何人かに体験もしてもらいましたが、なかなかうまくいかない。

アメゴの腹わたぬき
アメゴ

甘露煮、さつま汁双方とも焼アメゴを使いますが、アメゴに火を通すのに時間がかかるため、前日に40尾ほど炭火焼きしておいたものを使います。

前日の炭火焼

ここからはグループに分かれて調理。バタバタした部分もありましたが、参加者の皆さんは楽しく交流している様子で何よりでした。料理に慣れている人がいるグループはてきぱきと進み、そうでないテーブルは四苦八苦しながらなんとか仕上げてもらいました。

さつま汁 アメゴの身をほぐしてすり鉢ですります
調理中
アメゴすり中
薬味を刻んでいれます
甘露煮 煮立て中

さて、完成したグループから試食します!

さつま汁は、①アメゴをほぐし、②卵を入れ、③すりつぶして大葉、ネギを入れ醤油で味付けし(大葉とねぎはすりつぶさない)、④熱い湯をかけて、⑤ご飯にのせ、できあがり。口々に「美味しい!」と言う声が聞こえてきました。

美味しい!
美味しいです!

甘露煮は酒、砂糖、しょうゆ、ショウガ、梅(型崩れ防止)、みりんを入れて煮立てます。十分な時間が取れず煮詰められませんでしたが、丸々したアメゴをがっつり食べていただきました。

こちらの準備不足もありスムーズな調理を提供できず大変申し訳なかったのですが、「美味しい」と笑顔で交流している姿にホッとしました。皆様ありがとうございました。

対談

食事の後はお待ちかね「四万十川源流の昭和期の食とくらし」と題した対談コーナー。源流域の暮らしを体験した皆さんに、改めて源流域の人々の食文化はどんなものだったのか、学んでもらいました。

食文化概要説明

源流域の地形や環境と山地特有の食文化(焼き畑、キビ、コンコ、アメゴ、イダ・・・)について概要をお話して、その後、リバーマスターのお三方に詳しく語ってもらいました。

豊田さんの牛操り術披露

特に今回食べたアメゴについては、アメゴの生態や四万十川特有の外見的特徴等の話など、マニアックな話になりました。イダを食べる文化についても、捕り方や保存の方法、活用方法なども教えて頂きました。

真剣に聞く参加者の皆さん

家の周りに食材があり、工夫して楽しみながら食べて暮らしていたことが皆さんに伝わったと思います。

大盛況のうちに終了・・・

今回講師をしていただいたリバーマスター豊田庄二さん、横山好史さん、特別ゲスト掛水一彦さん、誠にありがとうございました。

ご参加いただいた皆さん、誠にありがとうございました。

集合写真

食文化と言うと広いですが、捕って、作って、食べる。この3つを体験してもらうことが重要だと思います。今回分かったのは何よりもそれが楽しいことだということです。