69.ドンコ
69.ドンコ(幼魚)

69.ドンコ

ドンコ科

Odontobutis obscura

【全長】

20cm

【生息地】

愛知県~新潟県以南の本州、四国、九州。水田の用水路や溝川、池沼など水流が緩やかな水域で見られる。河川では岸に近いツルヨシ群落周辺に多い。

砂利底いる砂泥底を好む。

【体】

体色は黄褐色地で暗褐色のまだら模様がある。

頭が大きく下あごが突き出る。

腹ビレは完全な吸盤上ではなく左右に分離している。

【生態】

四万十川では堰き止め池や水田水路まで幅広く見られる。

通常、転石の隙間などに潜み、近づいてきた小魚などを捕食する。

縄張り習性を持ち。孵化後、3~4か月の30~40㎜になると近寄ってきたものを攻撃するようになる。

繁殖は、5~7月で石や倒木の下に卵を産み付け孵化するまでオスが保護する。

ムギツクという淡水魚の卵を托卵することもある。

卵を全力で守るため、エネルギーを費やしすぎて死ぬものもいる。

産卵室内では、オスが「グーグー」と大きな声で鳴くことが多いが、メスを誘惑しているのか理由はわかっていない。

冬は泥底に体を産めるようにして冬眠するものもいる。

【食性】

甲殻類、小魚、水生昆虫などを活発に捕食する。

生きているものしか食べない。なかなか強い歯とあごを持っている。

ハゼ類とは異なる発育の良さ!

ドンコの発育はとてもいい。

卵黄をエネルギーとして使い終わり、エサを食べるようになるころには親と同じ姿になっている。

通常、ハゼ類は発育が悪く鰭なども発達しないまま浮遊生活をするものも多い。

ドンコは親と同じ姿になっているため、底生生活にすぐ入ることができる。

これは、ドンコとカワヨシノボリだけだと言われている。

≪参考資料≫

・川の生物図典 財団法人リバーフロント整備センター

・日本の淡水魚 山と渓谷社

・四万十川の魚図鑑 いかだ社