104.シロウオ

シロウオは生きたまま食べる「躍り食い」が、春の風物詩として有名です。

「シロウオ(素魚)」によく似た魚に、シラウオ(白魚)があります。名前が似ていて、同じ時期に旬を迎えるため混同されやすいですが、シロウオはスズキ目ハゼ科、シラウオは、サケ目シラウオ科に属している魚です。北海道南部から九州北部に分布し、内湾や湖に生息しています。体長は成魚で10cm程度です。主に動物プランクトンを捕食する、全く別の魚です。シロウオの頭は丸く、シラウオのようにとがってはいません。また、シラウオにある脂びれもありません。

シラウオは、鮮度がよければ刺し身になり、わさび醤油、生姜醤油、酢味噌などで食べるのが人気です。ほろ苦さとほのかな甘さを味わえます。すし種にもなり、軍艦巻きなどで提供されています。かき揚げ、天ぷらなどの揚げ物で食するのも人気で、中がふわっとした食感を楽しむことが出来ます。お吸い物や卵とじではシラウオからよい出汁がでてとても美味です。また、島根県の宍道湖では漁獲される代表的な7種の魚介類は「宍道湖七珍」と呼ばれ、シラウオはそのひとつに数えられており、古くから親しまれています。体色は透明ですが、捕獲されて弱ると急速に乳白色に変化します。網にかかっただけでその殆どが死んでしまうほど、とても繊細な魚です。口先は細くとがっていて、くさび形の体形をしています。背びれの後ろには「脂(あぶら)びれ」という小さな丸いひれがあります。