阿部 敦雄(あべ あつお)

阿部 敦雄さんの基本情報

・西土佐地区 藤の川出身 

・武内幸男さんとはシャクリ仲間で、営林署でもチームメイトだった

・シャクリ漁の名人

・趣味:野球観戦

・昭和17年生まれ

阿部さんってどんな人? ~シャクリの名人~

大人塾シャクリ漁では、幸男さんと共にいつもお世話になっています!

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阿部さんと言えば、シャクリ漁。毎年開催している大人塾では、幸男さんと共に、いつもニコニコしながら穏やかに丁寧に教えてくださいます。そんな阿部さんにお話を聞いてみました!

83歳には見えない若々しい阿部さんは、生まれも育ちも藤の川。さぞ、少年時代からシャクリ漁に馴染んできたのかと思いきや、「私は奥手で人並みにようせざったけん…」と意外なご返答。シャクリ漁は中学卒業後、営林署で働きだしてから始めたそうです。それまでは、阿部さんが「子どものあそび」と言う、ゴム仕掛けの魚を刺す道具「プスリ」で、石の下に隠れている魚を突いて遊んでいたそうです。

それには事情もあって、長男でお祖母様に育てられた阿部さんは、他の家庭の子供のように年長者についてしゃくり漁を習う機会がなかったそうです。お父さんやお兄さんに同行して小学校の高学年くらいから経験を積んだ人は、見つけた鮎は逃がさず全部上手に掛けるとのこと。そんな人と比べてしまうと「私はそれほどでもない」とご謙遜なさいますが、私からすると阿部さんも名人級です!

勤めだしてからシャクリ漁を嗜むようになった阿部さんですが、20代の頃には中耳炎を患って、10年くらいは川から遠ざかっていた時期もあるそうです。川とのつながりが復活したのは、市販の良い耳栓が出回るようになってから。そういえば、大人塾の時も耳栓をされていますね。

そして、阿部さんがシャクリ漁に一番打ち込んだのが営林署を退職してからの10年間だそうです。昼間の暑い時や土日に、幸男さんと連絡を取り合って、コンビでよく通ったそうです。醍醐味は「直接見て獲る面白さ、掛けた時の感触」だそうです。何だか、大の大人が小川でシャクリをする姿は無邪気に見えてしまいますが、藤の川では普通の光景なのだとか。支流ならではの川漁と言えるかもしれません。阿部さんに尋ねてみても「特別な事ではない、ただアユを獲って楽しむだけよ」と淡々としたご様子。

藤の川の変化

阿部さんが子供の頃は、喉が渇いたら藤の川の水を普通に飲んでいたそうです。それほど藤の川は綺麗だったようですが、現在は藤の川の汚れが気になっているそうです。

阿部さん「最近は人が少なくなったけど、川が汚れている。どうしてだろう。ホタルの宿になる竹とか笹とか柳とかはいっぱいあるけど、ホタルがいない。ヨセが繁茂して川が狭くなった。ホタルのエサとなるカワニナがいないというのは川が汚れているのでは?ハヤやマスも少なくなった。多分、川の汚染のバロメーターじゃないろうかねえ。」

Q.要因として考えられる事は?

阿部さん「圃場整備をしてから田んぼや水路がコンクリートで固められ、川への伏流水が減り、そのまま水が流れるからやろうかねえ。山も人工林になって、(表土が流れ出ることによって)川を汚しているかもしれんねえ。」

おまけ

中学卒業後は営林署にお勤めになり、大径木を伐る場面では伐倒を任される程の腕前の持ち主。だいたい狙ったところには倒せる自信があるそうですよ。いづれ伐倒も教えてもらいましょう!