市川 敏英(いちかわ としひで)

市川さんの基本情報

・1954年生まれ

・四万十町大正在住

地域のために!

大正町役場へ

市川さんは、大正出身でこれまで大正のために様々な取り組みをしてきた。出発点は、大正町役場に就職したところからだ。

高校卒業後、地元の大正町役場に就職し、高校での専攻が農業土木だったので建設課に長く在籍。

仕事以外でも地域のために活躍していた。特に力を入れていたのは青年団だ。就職してから青年団に入り、1年くらいは先輩に教えてもらいながら精力的に活動。青年団の北幡大会(西土佐、十和、大正)は思い出深い。相撲、弁論大会、陸上もできるものは、青年団のみんなと力を合わせて全力で取り組んだ。話すことは好きだが、弁論には苦手意識があった市川さん。大正の青年団のために何とか乗り切った。その後、青年団長にもなり、役場で働いていることもあるし、地元のために益々気合を入れて尽力した。

地元で何かしたい みんなが幸せになるにはどうしたら良いか

建設課の後、保育福祉から商工観光、商工会を経験。地元のみんなが幸せになるにはどうしたら良いか考えいろいろな企画を行った。主な企画を紹介しよう!

・もひかん協議会(ものひと環境)

窪川の遍路道を活かす取り組みを文化庁や県とも話し合いながら考えた。商店街に昭和の懐かしいものを置いて、みんなが集まり歩く場所をつくろうとした。大正でもツアーをした。

・親子研修

山と川を使った研修。自然林につれていき、川漁師体験(エビたまでハゼを獲る)をしたり、旧下津井小学校を宿泊地にして、BBQをしながら布を使って昆虫の灯火採集をしたりした。最初のころはいろいろな虫が捕れたが、どんどん捕れなくなって、自然の変化を感じた。

・森林軌道のウォーキングトレイル

下道から下津井まで歩き、下津井からは舟で戻ってくるコース。軌道から見る山やダム湖からみる山。文化的な背景を守っていくのも必要だと思った。

・大正浪漫ひな祭り

大正のひな祭りで、ひな人形を町中に飾ることで街に人の流れができる。少しでも多くの人に立ち寄ってほしい。

・大正あゆまつり

現在、実行委員長をしている。鮎を使ってみんなに楽しんでほしい。若いころから漁師に連れられて火振り漁をするようになった。今は許可を引き継いで自分がやっている。その火振り漁も松明を使って鮎祭りで披露している。

四万十大正まちづくり株式会社を設立

退職後は、大正を中心にボランティアや会の運営などできることは全て受けていた。そうしているうちに、キャンプ場の運営の話が市川さんのところにやってきた。それをきっかけに四万十大正まちづくり株式会社を設立し、キャンプ場の指定管理者になった。事業として活動することができるようになったので、ボランティアの枠を超えてオールマイティにできるようになった。中高生と一緒に花を植え、最近は中学生の地元授業でキャンプ場をどうしたら良いかなど授業もしている。

その原動力は

大正はにぎやかな街だった

大正だけで昔は7,8000人の人口だった。山師や炭焼き職人などたくさんの人が行き交い、夜になると酔ってケンカをすることもしょっちゅうでにぎやかな街だった。ドンドン年寄りが増えて人がいなくなっていく・・・・どうにかしたい。町の人のために何かしなければならないという原点は昔のにぎやかな街にあった。

全力集中! 嫌なものは僕がやる

若い時、「四万十の魚と熱帯魚展」を大正で開催。四万十川の魚を知ってもらい、なかなか見ることができない熱帯魚を地元の人に見てもらいたいと力を入れた企画だった。開催期は、毎日魚を川に獲りに行って、面白い仕事だった。最終日にいつものようにアユカケを獲りに行ったとき、ついに糸が切れてしまった。あ~疲れたとその場に寝てしまい、様子を見に来た人はその姿に驚きを隠せなかったという。一つのことに全力集中する市川さんらしいエピソードだ。

町づくりのためにチャレンジを惜しまない。あんたがやってという雰囲気が好きじゃないから、嫌なものは僕がやると多くのことを引き受けている。みんなやりたいことがあるものの話す場もない。そんな場所をつくっていきたいと思いながら、持ち前の行動力と発想力を活かし日々活動している。

これから

町づくりでこれからも元気な町を目指したい。元気な町とは・・・人がワイワイ行き交う町のこと。最低限の中で最大限の人が動いてくれたら活発な町になるはずだ。今の活動も続けつつ、頑張っていきたい。

こだわりのひげ

市川さんと言ったら、立派なひげ。このひげを生やすようになったのは、昭和53年に会計検査を受けた時がきっかけ。林道などの仕事で事務が遅れ忙しさのあまりひげを剃れず、伸ばしたまま出勤していた。検査の日はちゃんとした格好が良いだろうと急いでひげを剃って出勤すると、上司からなぜひげを剃ったのか名刺代わりになって良かったのにと言われたのだった。それからずっとひげを生やしている(21歳くらいから)。周りからはひげさんと呼ばれるくらい浸透し、忘れられたことがない。剃るのは2か月に1回。

クリスマスは自前のひげでサンタクロース。孫や子供に喜ばれる。かっぱの皇太子という役もある。市川さんのトレードマークなのだ。