70.ナマズ

70.ナマズ

ナマズ科

Silurus asotus

【全長】

60cm

【生息地】

北海道南部以南の日本各地。池沼、中流から下流域にかけて見られ、沈んだ木など隠れ場所の多い区域を好む。

【体】

頭が大きく、胴体は尾ビレに向かってすぼまる。体色は黒褐色と黄褐色のまだら模様。体表に鱗がなく粘液による滑りが強い。口ひげは上下両顎に2本ずつの計4本持つ。

【食性】

夜行性で、稚魚は半底生性の浮遊動物や小型底生動物を食べる。成魚になると、他の魚や甲殻類、カエルなど大量に捕食する。

【生態】

四万十川での繁殖期は5~6月の梅雨時期の真夜中。水田、氾濫原、ワンドなど小規模水域で行う。産卵はオスがメスに巻き付いて行われる。水温22度では45~60時間で孵化する。仔魚は3~4cmに成長した後、増水を利用して川に戻る。

【味】

淡白な白身。川によっては独特な臭みがある。

ナマズの地震伝説

昔からナマズが動くと地震が起きると言われている。室町時代の古書にも知るさrテイル伝説だ。

それを近代になって東北大学で研究がされたことがある。報告書によると、地震の起こる数時間前から敏感になり激しく動き始めたという。その予知的中率は80%だった。震度3以上の地震に反応しやすいようだ。

ナマズは地磁気の微妙な変化に敏感で、人間の100万倍高い能力を持つ。

昨今、地震が多発しているため、このナマズの能力は非常に貴重なものかもしれない。

≪参考資料≫

・川の生物図典 財団法人リバーフロント整備センター

・日本の淡水魚 山と渓谷社

・四万十川の魚図鑑 いかだ社