21.イダテンギンポ

イダテンギンポ

イソギンポ科

Omobranchus punctatus

保存

高級カキ殻マンション住まいの韋駄天さま

基本情報

【全長】10㎝

【生息地】東京湾以南~九州南部。海水域、汽水域。岩礁や転籍が多い海岸や河口域、漁港など。

【体】頭部は丸く、体側は多数の縦線があり、後ろの方は網模様にあるものもいる。体色は黒味が濃い。全体的にヌルヌルして、うろこはない。イダテンギンポはイソギンポの仲間であるが、彼らはかなり発達した牙をもつ。噛まれて血が出ることもあるので、注意したい。

【生態】トサカギンポと混生する。トサカギンポは神経質で、より体が短く、派手なので容易に見分けられる。名前の通り、かなり素早く泳げる。エサをくわえると素早く石や貝殻の間に隠れる。繁殖は初夏。産卵は貝殻の中で行われることが多くオスが卵を保護する習性をもつ。

【食性】動物食性。エビ、アサリなどの身を好む。

【味】ふつうは食べないが、から揚げにして食べることもある。

カキ殻マンションがお気に入り☆

イダテンギンポは、カキ殻があるところを探すと容易に見つかる。岩や石などに隠れることもあるが、一番のお気に入りは他でもなくカキ殻だ。

カキ殻の周りにはエサになる生物が寄って来る。ちょっと外に出れば、コンビニのごとくエサが手に入る便利な物件なのだ。

しかも、カキ殻は自然の刃物のようで、知らないうちに手が切れることも多い。外敵からの侵入を防ぐ役割もしており、セコ〇やアルソッ〇並みの警備体制も完備。当の本人は、ヌルヌルの身体でするすると泳げるようだ。

まるで、カキ殻マンションはセレブな高級マンションのようで、イダテンギンポの鰭がブランドもののスカーフやワンピースに見えてくる・・・

イダテンギンポ、とても良い棲みかを手に入れたなと感心する。

≪参考資料≫

・四万十川の魚図鑑 いかだ社

・private aquarium

https://aqua.stardust31.com/

・雑魚の水辺
http://zakonomizube.web.fc2.com/fish/