7.アベハゼ

アベハゼ:ハゼ科

Mugilogobius abei

超タフな歌舞伎役者風ハゼ。

基本情報

【全長】5㎝

【生息地】宮城県~石川県以南の本州、四国、九州、種子島。四万十川は下流の汽水域。泥深い汽水域に生息する。汚染に強く、異臭を放つヘドロの堆積場にもいる。

【生態】基本的にはテッポウエビの巣穴に棲み共生している。ほかにも石や貝殻の下で見かけることも多い。干潮時は浅場に多数集まる。空気中でも危険を感じると泥上を飛び跳ねて逃げることができる。繁殖は春~夏。

【体】頭の丸みが強く、歌舞伎の「隈取」のような模様がある。体全体が黄褐色で体側に黒褐色条がある。前は横縞、後が縦縞なのが特徴!成魚になると第1背鰭の棘が伸びる。

【食性】雑食

テッポウエビと仲良く同棲(共生)してます。

出典:marine diving web *写真はアベハゼではありません。

ハゼの仲間は、テッポウエビと共生することが多い。アベハゼも同様で仲良く一緒に棲んでいる。

テッポウエビとは・・・

浅い海や内湾、干潟などに棲むエビである。数㎝しかないが、この小さな体には不釣り合いに一方のハサミが異常に大きい。これがすごい。棲みかを作る際に使用することもあるが、一番は獲物を捕らえる時だ。大きいハサミを開き、凄まじい力でハサミを閉じることで衝撃波を出し獲物を気絶させるのだ。ハサミを閉じる瞬間に、気泡が破裂する。その時、プラズマ閃光と4400度の高温が発射されるのだ。

こんなに強いテッポウエビだが、なぜハゼと共生しているのだろう?

実は、目がよく見えないらしい。

テッポウエビが巣穴の作製や修理、保全を行う。一方で、ハゼには見張りをしてもらいながら危険が来たときには教えてもらうようにしているのだ。

さらにハゼは、テッポウエビに体の掃除をしてもらう。体についた藻を取り除いてもらったり、排せつ物は餌として食べてもらっているようだ。

なぜ、こんなにタフなんですか?!

アベハゼは非常にタフなやつである。

他の生物が棲めないようなところにも平気で棲んでいる。

汚染がひどく、異臭を放つヘドロ等が溜まっている場所にもいる。

というのも、アベハゼはほかの生物にとって有害なアンモニアを尿素に変えることができる!無毒化できるのだ。

サメなども同じ回路を持っているが、小さな体で非常にタフなアベハゼはかっこいいやつかもしれない。

≪参考資料≫

・四万十川の魚図鑑 いかだ社・web魚図鑑https://zukan.com/fish/internal241

・雑魚の水辺http://zakonomizube.web.fc2.com/fish/

・marine diving web
https://marinediving.com/marine_life/serial_marine_life/symbiont/

・wired
https://wired.jp/2019/04/18/shrimp-plasma/