27.カマツカ

27.カマツカ

コイ科

Pseudogobio esocinus esocinus

食べ方が可愛いけど、食べすぎるカマツカ

基本情報

【全長】

20㎝

【生息地】

本州、四国、九州、壱岐。

四万十川のものは移植されたものである。キスに似ているため四万十では「カワギス」と呼ぶこともある。また、国内外来種のためカマツカを初めて見た漁師たちは「コンコルド(音速航空機)」と呼んでいたこともある。

砂礫底の清流に生息する。

【体】

馬面でハゼ類のような体形をしている。

全身が黄褐色で細かな暗色斑がモザイク状に広がる。1対の口ひげがあり、唇には小さな突起が密集している。

【生態】

川底を這うように少しずつ移動しながら底生動物を摂食する。危険を察知すると一気に泳ぎ去るか砂に隠れる。

四万十川では中流域(四万十町)を中心に増殖していたが近年は河口10キロ上流付近でも大量にみられるようになった。鮎漁の際もよく網にかかり、網を破る原因になるため漁師には嫌われている。

産卵は5~6月で夜間に行われる。川の浅く緩やかな場所で、卵は砂礫底にばらまかれる。仔魚の浮遊時期は不明であるが2~3年で成熟する。

【食性】

底生藻類を中心に食べるが、大きくなると水棲昆虫や甲殻類を食べる。また、餌が少なくなると他魚の卵も食べる。大食漢。

摂食は、口を突出させて砂とともに餌を吸い込みエラから砂を出す。底を這いながら掃除機のように吸引する姿は見ていて面白い。

エラから出てくる食べかすを狙って、シマドジョウやヨシノボリがカマツカの辺りに集まってくる。

【味】

肉量肉質ともに良い。味はたんぱくで素焼きに酢醤油をかけて食べると美味しい。

ビタミンB1が豊富で疲労回復の効果もあるようだ。

カマツカの増えすぎ注意!!

湖鮎の放流で分布域が広がりつつある。中流域の大河川に多いが、上流や下流にもダムがあれば砂が増えるとカマツカも増える。礫底の時に比べて、鮎の漁獲量が減りカマツカが大量に増えることもある。

単一の生物が増えることは総生産量に影響を与えるため、カマツカの増えすぎには注意!!

≪参考資料≫

・川の生物図典 財団法人リバーフロント整備センター

・四万十川の魚図鑑 いかだ社

・日本の淡水魚 山と渓谷社