今年も横浜市の神奈川学園の高校生たちが自然環境について学ぶ研修旅行で高知を訪れました。3泊4日の日程で、林業体験や四万十川で生き物採集やカツオのたたき作りなどを体験をしました。財団がお手伝いしたのは、空港で高校生達をお出迎えし、一緒にバスに乗って、四万十川はもちろん、途中、バスの中から見る事ができる仁淀川などの紹介などをさせていただきました。そして、お昼ご飯の後に、林業体験をしてもらいました。記事に出来ていなかった去年の様子や写真も時々紹介していきます。

森のあれこれ

神奈川学園は女子高です。まずはご対面。お互い最初はぎこちない感じがしましたが、山に入ると、自然と緊張がほぐれてくるのは不思議です。ヒノキの伐倒体験をしてもらう現場までの道中も格好の場です。四万十川流域の人達は実に上手に山の素材を生活に取り入れ、時には収入にもしています。それが少しでも伝わればと、山椒の葉を嗅いでもらったり、シュロの葉が吊るし柿やハエ叩きや箒に使われている事をクイズにしてみたり、杉の切り株を火鉢の入れ物にしていることを紹介したり、エビネランやスギ枝についたランが売れる事を紹介したり、かつては世界一薄い紙の原料になるガンピが良い稼ぎになっていたこと、ハイノキは粘りがあって折れにくいので、渦巻き状にして俵の敷物になっていたことなど、ネタが尽きません。去年もここで時間を使いすぎてしまいました。

伐倒体験

伐倒体験の現場に到着しました。この現場はリバマスの山脇陳男さんの山で、去年から快く林業体験に使わせてもらっています。戦後の拡大造林政策により全国的に50~60年生の植林が多いですが、ここは80年生のヒノキやスギが立ち並んでいます。

80年生のスギ・ヒノキ林

まずは林業で使う道具の紹介やどうやって木を倒していくのかクイズを交えながら説明していき、木をけん引するためのロープワークにも挑戦してもらいました。

さていよいよ伐倒です。昨年は、80年生の中でもかなり大きいものを倒しました。まずはこちらの写真をご覧ください。大きさが伝わるでしょうか?

みんなで、このヒノキが、いくらになるか、価格表と照らし合わせながら計算していきました。元側から順番に3m、3m、4m、6m、4mに玉切りして、末口を計測して材積を出します。材積×㎥単価=1本あたりの価格になります。

材積の出し方…末口直径×末口直径×長さ

1本あたりの価格…材積×㎥単価

末口直径長さ㎥単価1本あたりの価格
元玉31㎝3m21500円6198円
2番玉30㎝3m21500円5805円
3番玉28㎝4m21500円6742円
4番玉24㎝6m30000円10368円
5番玉20㎝4m21500円3440円
計32553円

合計32553円になりました。これを安いと判断するか高いと判断するかは人それぞれだと思います。山主さん的には80年もかけてこの値段は安いでしょうし、キコリ的には十分すぎるほどの日当が出ますし、市場の買い手にとっても安いんじゃないでしょうか。並材として価格を出しましたが、80年生の銘木として競りにかけるともっと高値がつくかもしれません。ちなみにこのヒノキは地元の大工さんに買い取っていただきました。

掛け声をかけながら牽引中

今年の伐倒体験では、ロープをかけて、みんなで力を合わせて引き倒す体験をしてもらいました。動画をご覧ください!

林内作業車体験とミニ生け花甲子園

去年は、伐倒体験の後は、林内作業車に乗ってもらいながら、来た道を帰っていきました。みんな凄く楽しそうでした!

今年は、趣向を変えて、ミニ生け花甲子園なるものを開催してみました。密かに温めていました。帰り道に花材となる、気に入った枝モノをおのおの切り集め、それを班に分かれて、制限時間内に竹筒に生けてもらいました。ゲストに生け花を趣味にされている谷崎直子さんをお呼びして、各班が生けたものを好評していただきました。

どうなることやら、ドキドキでしたが、想像以上に盛り上がり、みんな自由な発想と女子力を発揮して、素敵な生け花が次々に出来上がっていきました。出来上がった生け花の前で各班、記念写真も撮りました!

活けたお花たちは、フィールドを提供してくださった山主さんにプレゼントしたり、ゲストの谷崎直子さんのご自宅などに飾らせいただきました。

何となく感じてほしかった事は、森や林業にはいろいろな可能性がある事です。木材を出すだけが林業ではなく、切り倒した後のヒノキの枝も出荷できますし、今回、花材にした枝モノも花卉市場に持って行けば値段がつくものも出てきます。五感を研ぎ澄ませて、清々しさを感じたり、周りをよく観察すれば、いろいろ生き物や植物にも気づき、楽しませてくれます。森林が持つそんな可能性を感じてもらえ、今後より多く、森林に親しんでもらえたら大成功です。

後日、神奈川学園の生徒さんからお手紙が届きました。