DSC_1967ヒカゲミツバ

●ヒカゲミツバ

山菜としてよく知られたミツバより、標高の高い冷涼な渓流沿いなどに生えます。またミツバに比べて、葉、花、全体の姿は、繊細な印象があります。シシウドの花を大きな打ち上げ花火に例えるなら、こちらは線香花火のようです。白く小さな花ですが、残暑の頃、木陰の中で瀬の音と共に観賞していると、いかにも涼感があります。(2013年8月18日撮影、高知県梼原町)

DSC_1997クサアジサイ

●クサアジサイ(四万十川百名花の60)

名は、木本のアジサイの仲間で、草本であることによります。従って、冬期、地上部は枯死します。また、花期は梅雨に咲くアジサイより遅く、8月頃です。四万十川流域では津野町船戸以北の渓流沿いで多く見られます。花はアジサイと同じように、装飾花(4枚のがく)と両性花から成り、ピンク色のイルミネーションのようになります。残念なことに、今夏は猛暑乾燥がひどく、状態の良い個体がほとんどありませんでした。(2013年8月18日撮影、高知県梼原町)

DSC_2050オオバヨメナ

●オオバヨメナ

深山に生え、名は里山で見られるヨメナに比べて葉が大きいことによります。自生地は少ない(絶滅危惧種)ものの、よく群生します。ヨメナは、総称して野菊と呼ばれますが、確かに花の形は似るものの、舌状花(花弁)がまばらで、地味な印象を受けます。

(2013年8月18日撮影、高知県梼原町)

DSC_2104ミソハギ

●ミソハギ(四万十川百名花の35)

湿地に生え、別名、「盆花」と呼ばれ、旧盆(8月15日頃)のお供えに使われます。ただ、個体数、自生地共に少なくなっており、最近はあまり見かけなくなりました。珍しい植物になりつつあります。高さ1m~1.5mにもなる大型の植物で、色鮮やかな花なので、群生すると、見事な景観になります。今夏、四万十川流域では各所で干ばつが深刻になっており、撮影したトンボ公園も例外ではありませんでした。それでも圧倒的に多くの湿地性植物を集約して観察することが出来ます。(2013年8月22日撮影、高知県四万十市)

DSC_2340ハマゴウ

●ハマゴウ(四万十川百名花の42)

海浜砂地に生え、全体に芳香があります。クマツヅラ科の植物ですが、花は、シソ科のローズマリー(「海の雫」の意)によく似ます。ハマナスが東日本の海を代表する花とされるのに対して、西日本の海を代表する花とされています。特に、花後の実にはラベンダー同様、リラックス効果があり、昔は枕の中に詰めていたそうです。撮影場所は、有名なサーフ・ビーチ、年間を通して、多くのサーファーで賑わっています。

(2013年8月22日撮影、高知県四万十市)

DSC_2384シチョウゲ

●シチョウゲ(四万十川百名花の34)

四国では、四万十市~四万十町大正までの四万十川及び梼原川だけに分布します。川岸、河原の岩場に生える小低木。トサシモツケとよく混生して、四万十川の代表的な植物。この時期、四万十川には多くの環境客が訪れますが、花が小さいため(長さ1cm程度)に目を向ける人はありません。(2013年8月23日撮影、高知県四万十市)