45.オヤビッチャ
45.オヤビッチャ

オヤビッチャ

スズメダイ科

Abudefduf vaigiensis

恋より育児の男たち

基本情報

【全長】

20cm

【生息地】

千葉県以南の日本各地。沿岸岩礁、サンゴ礁、漁港でも見られる。

【体】

背部の大半が黄色。側面は淡い青灰色。体側に黒い横帯が5本ある。

繁殖期のオスは青みが増す。

【生態】

夏は周辺の磯溜まりなどで幼魚がみられる。

海ではロクセンスズメダイ、シチセンスズメダイと混生していることが多い。

あまり物おじせず、驚くと一旦岩陰に隠れるが短時間で姿を見せる。

水温が高いと岩の窪みに何度も産卵を行う。集団で産卵・卵保育を行うが産卵床は単独でもち、キープしているところにオスがメスを誘う。

卵は赤~紫で鮮やか。オスが卵を見守り、メスは次の産卵に備えて中層で餌を食べる。

オスは、卵が他の魚に食べられそうになると攻撃的になり、その時の体色は婚姻色より濃くなることもあるようだ。

【味】

非常においしい。小魚だが身に厚みがあり小骨が少ない。

透明感のある白身で、塩焼きや煮つけにするとおいしく食べられる。

「オヤビッチャ」という変わった名前

魚には不思議な名前が多いが、オヤビッチャもその一つ。

ダイビング等で非常によく見かける魚で珍しくない。

集団で行動することが多く、泳ぐと「綾が走る」ようだ。沖縄ではその様子を「あやびっち」と呼ぶことから転訛したのではないかと言われている。定かではない・・・・

他にも大きくなっても「ちびっちゃい」からだとか、いろいろな説がある。

しかし、「オヤビッチャ」。

一度聴いたら忘れられないような独特な名前で、耳に残る。

≪参考資料≫

・四万十川の魚図鑑 いかだ社

・市場魚介類図鑑

https://www.zukan-bouz.com/syu/%E3%82%AA%E3%83%A4%E3%83%93%E3%83%83%E3%83%81%E3%83%A3

・fishes of minna island

http://www.croissant-island.com/sakana/oyabittya.html