四万十リバーマスターには様々な特技を持っている人がいます。アメゴ釣りもその一つ。四万十川と言えば鮎や鰻というイメージがありますが、上流にはアメゴ大好きなリバーマスター達がいます。そのお一人、津野町の豊田庄二さんから四万十川の在来アメゴの調査をするという連絡が入り、同行してきました。

数年前にも一度調査しましたが、今回はより奥までアタックです。向かうは黒尊川。地元のリバーマスター室津平さんにも協力してもらい、奥深く入っていきます。こんなところまでアメゴが登るのか?!という急斜面と岩場です。山の斜面を降ります。この調査は宮崎大学の岩槻先生主導ですが、今回はフライフィッシングのプロ、佐藤成史さんが応援に来てくれました。

佐藤さんはフライロッドをとりだし、小さなケースにきれいに入った毛ばりから一つをつけ釣り開始。「あれ~?人が入っているな。いたら食いつくんだけど・・・。」場所を変えてアタックすると数分で当たりました!さすが!豊田さんもその横でガサガサしてアメゴを捕獲!一つ一つ写真と脂びれをおさめていきました。さらにアメゴを求めて上へ上へ。ほとんど山登り。魚さえいればもっと危ない場所でも行くそうで、プロはすごいなと感じました。

四万十川の在来アメゴはパーマークの数や形、朱点に特徴があり、一般的なアメゴに比べてパーマークが丸く大きいように感じます。DNA解析をするために脂びれを切り取ってリリースしました。

四万十川の在来アメゴ パーマークが丸く数が少ない、朱点が側線より上に集中するなどの外見的特徴がみられる(四万十リバーマスター土居明さん提供)

在来種の判別にはDNA解析が必要なため、今回獲れた魚がそうかどうかはわかりません。結果を待ちたいと思います。佐藤さんは「この辺りのアマゴはおもしろい」とおっしゃっていました。四国の在来種のもとは高知の西部にあるだろうという仮説があるようで、その結果やいかに・・・。

四万十川の在来アメゴは放流魚との交雑で消滅しつつあります。生物多様性の保全の意味でも、在来アメゴを保護する体制が必要だと感じました。