四万十町のみなさんと一緒に、大阪府高槻市を流れる芥川に手作り魚道の見学に行ってきました。「芥川倶楽部」さんが官民協働で設置したものです。芥川倶楽部さんとは全国の河川活動発表会 (いい川づくりワークショップ)でお会いして、そこで魚道設置のお話を聞き、今回の見学の運びとなりました。というのも、私たちも3年ほど前から、四万十町十川で四万十川支流の堰に魚道を設置しようという取り組みを地域住民、四万十町と一緒に行っているからです。毎月1回、生物調査を行い、堰の上下でどんな違いがあるのかを調べています。

芥川はまでは片道5時間ですが、諸事情で日帰り弾丸ツアーとなりました。朝7時前に出発し、待ち合わせの高槻市立博物館「あくあぴあ芥川」に着いたのは13時頃でした。

あくあぴあ芥川 最上階からの景色 芥川が目の前に見える

「あくあぴあ芥川」は高槻市が建設し芥川倶楽部の皆さんが中心となって運営している自然博物館です。芥川倶楽部の皆さん、高槻市の上下水道課、同教育委員会、大阪府土木事務所の皆さんにお出迎え頂きました。芥川にいる淡水魚を展示した水槽がズラリ!!!四万十川でおなじみの魚もいますが、「ムギツク」というおちょぼ口のかわいい魚にも会うことができます。他にも部屋いっぱいの鳥の剥製、迫力ある哺乳類のはく製があり、見ごたえ充分です。実際の木肌に触れられ、どんぐりも一緒に展示されているので植物学習にも絶好の環境。ここに来れば芥川の自然がまるっとわかる博物館です。

昆虫コーナー
淡水魚コーナー
動物コーナー
植物展示

さて、お目当ての魚道について。博物館内の魚道模型を見ながら、仕組みと設計についてうかがいました。芥川のみなさんは、魚たちが登りやすい魚道を目指して改良を重ね、「石の魚道」にたどり着きました。魚たちがより自然に登れるように、傾斜、石一つ一つの大きさ、形、置き場所まで計算して流路設計しています。説明をしてくれた館長の山本忠雄さんは、毎日芥川を見ながら出勤するそうで、魚道工事中は誰よりも厳しい現場監督だったとか。芥川のみなさんの想いの強さが伝わってきました。

魚道の模型の前で説明を受ける
石の魚道の模型
説明パネル

続いて実際の魚道を見に芥川へ。あくあぴあのそばに3つの石の魚道があります。なだらかな扇状に石を積むことで自然な流路が確保されていて、従来の魚道とは印象が全く違いました。自然に溶け込み、人間も遊びたくなるような魚道です。増水時の流木等で固定した石がはぎ取られることもあるそうですが、都度芥川俱楽部が修繕しているそうです。石は上流や周辺にあるものを使うことが多いということでした。

石の魚道
一段ずつプールのような設計

見学後、意見交換を行い、魚道設置の経緯や芥川の組織づくり等を詳しく伺いました。完成まで約16年の長きにわたる取組みで、大阪府の土木と高槻市、国交省、有識者などとの調整をしながら今に至っていることが分かりました。その中で、活動拠点としての博物館が重要だということも話してもらいました。芥川に関する充実した資料も多数いただきました。学んだことが多くここでは書ききれないので、ぜひ「あくあぴあ芥川」へ行ってみてください!!!

意見交換の様子
たくさんの芥川の資料

意見交換の後、四万十川の場合設置予定場地の傾斜がきついことから、「他の工法も見てみたい」ということになり、下流にある魚道を見に行くことになりました。ここにも改善を重ねてきた魚道があるのです。凹状階段形式の魚道や最下流の大きな堰。カワセミが飛ぶ姿や、魚が跳ね回っているところも見ることができました。皆さんの努力で生物が川を行き来できる環境があるのだと改めて魚道の重要性を感じました。

引き込み型の魚道
最下流の一番大きい魚道

大都会の大阪にもこんなにも熱心に川と自然を守ろうとする人達がいます。今回の見学で素敵な繋がりができました。魚道の先駆者の皆様から学ぶことを多く、さあ四万十でどう活かしていくか・・・。

芥川の皆様、本当にありがとうございました!これからもよろしくお願いいたします。