高校生が石を積み、その仕上がりや技術力を競う、そんな素敵なイベントが今年四万十川流域で行われます!その名も「石積み甲子園」。第1回は徳島県神山町で、2回目は愛媛県松山市興居島で行われました。次にやるなら高知県で!ということで、甲子園を開催する一般社団法人石積み学校から相談をいただき、財団も開催に向けて微力ながらお手伝いをさせていただいています。

四万十でやるなら、流域の高校生にもぜひ石積みの楽しさを知ってほしい!そんな思いで打診をしたところ、なんと四万十高校の生徒たちが出場してくれることになりました!本当にありがとうございます!!今回参加してくれるのは、自然環境コース2年生の5名の生徒たち。普段から自然と触れ合っているので、石積みにも興味を持ってくれたようです。ということで早速、石積み学校の金子さんをお呼びして、石積みの練習を行ってきました。

今回の練習では、四万十町で農業を営みながら、自ら石積みで整備した土地にタイニーハウス(畑さん曰く終の棲家)を建てている畑さんや、そのご友人のシャインさんご一家にもご協力いただきました。ありがとうございました。
練習場所は、シャインさんのご自宅。ご自宅裏の石垣が崩れていたため、練習をしながら修復していきます。まず金子さんから、石の置き方について説明がありました。石は必ず奥に向かって長くおいていくこと、2点または3点の石に触れるように置いていくこと、グリ石を詰めることが大事とのこと。また、石の面を探すことも重要で、石を積む前にどこがその石の面なのかを見定めることが必要だとのことでした。石を置いたときに、お尻が下がっていることが大事なんだそうです。高校生には3つの石の面を見つけてもらうこととし、みんな迷いながら面を探している様子でした。石を置いたときにお尻が下がる面を見つけるのは、見た目だけではわからない、とても繊細な感覚であり、難しいなと感じました。

面の見つけ方を学んだら、次は実際に石積みの実践に入っていきます。石積みをする前にまずやらなければいけないのが、今ある石積みを崩して積めるように整地していくこと。そのため、邪魔になる石や土は手分けをしながら取り除いていきます。石積みにおいて、実はこの作業が一番時間がかかったりします。それくらい大事な作業です。今回も時間がない中ではありましたが、鍬や手箕を使って丁寧に取り除いていきました。土をかく人、手箕で土を運ぶ人、石と土を分ける人、空になった手箕を運ぶ人と役割分担をして、一連の作業を効率的に行うコツも学んでもらいました。石を積む技術だけでなく、チームワークも大事なポイントなんですね。

整地が終わったらいよいよ石を積んでいきます。金子さんにアドバイスしてもらいながら、先ほど教えてもらった置き方を意識して考えながら積んでいました。最初は収まりがいいように積んでしまいがちでしたが、金子さんからのアドバイスを受けて徐々に要領を得ていったようで、どの石が適当か、面はどこかを仲間同士で相談しながらどんどん積んでいっている姿がとても印象的で、石積み甲子園本番のような高揚感がありました。初めての経験ながら、泥だらけになることもかまわず本当に一生懸命取り組んでくれた生徒たち。本番が楽しみで仕方ありません。

後日、高校の先生から、生徒たちが当日の練習を楽しんでくれていたこと、意欲的に練習を行いたいと言っていること、「優勝を目指す!」と言ってくれているとの嬉しい連絡をいただきました。生徒たちが石積みを楽しいと思ってくれたことは何よりうれしいですね。生徒たちの熱意に応えられるよう、今後も全力でサポートしていきたいと思います。

石積み甲子園は11月2日(日)、四万十町の大井川にて行いますので、ぜひ生徒たちの勇姿を見にいらしてください。