四万十町では毎年、四万十川に親しみを持ってもらおうと、町内の小学5年生を対象に川がき体験を行っています。今年は四万十町米奥の四万十川で、約40名の子どもたちと川遊びをしました。子どもたちは3つのグループに分かれ、順繰りに3つのプログラムを体験していきます。1つ目はカヌー体験と川遊び、2つ目がハヤ釣り、そして3つ目が私たちが担当したスローロープ投げです。
夏休みに入り、川に遊びに行くことも増えてくる時期ですが、やっぱり怖いのが水の事故。もし万が一自分が溺れそうになった場合、友達が流されてしまった場合、どうしたらいいのかを知っておくことが、助かるチャンスにつながります。子どもたちには実際にスローロープを投げてもらいながら、救助の方法を体験してもらいました。


まずは財団スタッフが救助の方法を実演。羽方が要救助者、神田が救助者となり、一連の流れを見てもらいました。救助のうえで大切なのが、お互いでコミュニケーションが取れること。助けてほしい、今から浮くものを投げるという意思表示を行うことで、より適切に救助を行うことができます。また、流れ方にも注意があります。それは下流側に足を向けてラッコのポーズで流れること。下流側に頭を向けて流れていたら、岩が迫っていたとしても気づきませんよね。進行方向に何があるかを確認できるように、必ず下流側に足が来るように流れるのが大切です。実演を通してこの2点を確認してもらい、無事救助も成功しました。
それでは早速実践に移ります。2人1組でペアを作ってもらい、流される役、助ける役を交互に行いながら練習をしてもらいました。練習時間はだいたい30分。最初はなかなか思うようにスローロープが投げられず大変そうでしたが、何回もやっていくうちに持ち方のコツもつかみ、思ったところに飛ばせるようになった子もちらほら。流れるのも気持ちよかったようで、水難救助をしながら川にも親しんでもらうことができました。またスローロープを戻す作業も子どもたちにやってもらいました。一度出たスローロープを袋のなかに詰め直すのに少し時間はかかりますが、一気にまとめて入れないように、少しずつ入れる方法をレクチャーし、スローロープの使い方に慣れてもらいました。





最後に、練習の成果をみんなで披露。みんな一生懸命練習してくれたので、ほとんどのグループが救助に成功し、上手にスローロープを投げれていました。要救助者の”助けてアピール”も秀逸で、なかなか迫真の演技でした。(笑)楽しみながら川遊びの安全を学んでもらうことができたのではないかと思います。




今回はスローロープを使って救助を体験してもらいましたが、もし人が溺れているのを見つけても、絶対に泳いで助けに行かないこと、必ず陸の上から浮くものを投げるなどして助けることが大切です。泳いで助けに行くと、二次被害のリスクが高まります。流された人を助けに行った人が亡くなってしまうというケースも多く、仮に溺れている人にうまく辿り着けても、溺れている人は全体重を預けてくるため、岸まで泳いでいくのも困難になるそうです。だから、川遊びに行くときには必ず一人では行かないこと、浮くものを持っていくこと、自分で助けに行かないことを約束してもらい、体験は終了しました。
残りの夏休みも、今日学んだことを頭に置いて、たくさん川に遊びに行ってほしいなと思います。