スズコウジュ

●スズコウジュ

林縁に生え、やや湿度のある土壌を好みます。茎は20~30cmほどありますが、下部は地面を這い周囲に広がって、上部だけが立ち上がりますので、その半分くらいの高さに見えます。花はクリスマスのベルを思わせます。咲き始めはあまり目立ちませんが、満開時(10月下旬)には、山ではすっかり晩秋の装いになって、一面に咲く花と共に少し早いクリスマス・シーズン到来を感じさせます。(2013年9月21日撮影、高知県梼原町)

ヒメヒゴタイ8

●ヒメヒゴタイ(四万十川百名花の73)

山地草原に生える2年草(開花、結実後、枯死する。種子でしか繁殖できない)。ロゼット及び下部の葉は羽状に深裂しますが、上部では披針形になります。花と共に総苞片(花を覆っている部分)は重なりあって、蛍光的な紫色をしています。また雌しべの柱頭(先端)が、Tの字になります。花はまるで宝石のアメジストのようです。

(2013年9月21日撮影、高知県梼原町、9月23日撮影、高知県四万十市)

シコクブシ11

●シコクブシ(四万十川百名花の76)

四国に産するトリカブトで、標高1000m以上の山地では、林縁、渓流沿い、山地草原、岩石地、いたるところに生えています。日向では茎は直立しますが、日蔭では垂れ下がるようになります。誤食すると命に係わる猛毒植物ではありますが、秋の山で、紫~青紫色、まれに白に近い色をした独特な形の美しい花を咲かせます。

(2013年9月21日撮影、高知県梼原町、2013年9月22日撮影、高知県津野町)

ハバヤマボクチ2

●ハバヤマボクチ(四万十川百名花の72)

日当たりのよい乾燥した山地草原に生えます。高さ50~100cmになり、根生葉(根元の葉)は三角形で、ほこ形に張り出し、触ると、ごわごわした感じがします。総苞(花を包んでいる部分)は栗のイガのようでクモ毛が多く、同様な感触があります。花は褐色で地味ですが、全体に個性的な植物であり、結構、人気のある植物です。

(2013年9月22日撮影、高知県梼原町、津野町)

キバナアキギリ2

●キバナアキギリ(四万十川百名花の79)

かなり陰湿な林下、林縁に生え、標高のやや高い冷涼な場所で見られます。学(属)名は、Salvia nipponica(サルビア・ニッポニカ)で、つまり日本に自生するサルビアになります。葉は3角状ほこ形で、基部は左右に張り出します。サルビアの名は、ラテン語の「salvare(治療)」 、「salveo(健康)」に由来し、この仲間の多くに薬効があることに因みます。

(2013年9月22日撮影、高知県梼原町)

コウゾリナ

●コウゾリナ

名は茎や葉に荒い毛があって、触れると、ざらざらすることから「剃刀菜」が転じて、コウゾリナになったもの。花は真夏を除いて春から秋にかけて見られることから、春と秋と2回、開花しているようです。どこにでもありそうですが、四万十川での分布の中心は中土佐町、津野町、梼原町で、これらの地域ではごく普通に見られるものの、その他の地域では稀な植物です。良い被写体が無く林縁で撮影しましたが、本来はもっと明るい山地草原や日当たりの良い場所を好みます。(2013年9月22日撮影、愛媛県西予市)