ハガクレツリフネ2

●ハガクレツリフネ(四万十川百名花の90)

葉の下に花を付けることから、「葉隠れ」の名があります。そはやき植物(大陸と陸続きだった頃から由来し、大陸に同一種または近縁種が現存する植物)の一種で、国内での分布域は狭いものの、四万十川では、津野町、梼原町中心に最も普通に見られるツリフネソウの仲間。ただ、かつては、いたるところで一面に咲く群落が見られましたが、森林伐採などの開発行為、開花期(=イベントと重複)の草刈り、異常気象などにより、花畑的な、いわゆる花の名所というのは、大変少なくなっています。

(2013年9月22日撮影、高知県梼原町)

チャボホトトギス2

●チャボホトトギス(四万十川百名花の95)

茎が伸びないことから草丈が低く、チャボの名が有ります。本来は林縁の保水力のある土壌に多く見られますが、ここでは岩石地、しかも岩の割れ目にまで生えています。実際ある程度、標高の高い所に生えるものの、それ以上に、高山植物の雰囲気があります。四万十川では比較的普通に見られる植物ですが、ここはこの植物にとって、まさに花の名所です。(2013年9月23日撮影、高知県四万十市)

ヤマジノホトトギス3

●ヤマジノホトトギス(四万十川百名花の96)

四万十川では、源流域の津野町、梼原町などでは普通に見られるものの、下流域の四万十市ではまれな植物になります。したがって自生地として、大変貴重になります。草丈は30~50cm程度で、花は白く花弁は水平に展開します。本来は林縁に生えますが、ここでは一部、岩石地にも生えています。チャボホトトギスと混生していて、両種の花の競演は高山のお花畑のようです。(2013年9月23日撮影、高知県四万十市)

カラスノゴマ

●カラスノゴマ(四万十川百名花の85)

名前から美しい花は想像し難いですが、花、姿共に奥ゆかしい趣があります。草丈30~70cm程度、葉は卵形、花は葉に隠れるように咲きます。菩提樹(リンデン)と同じシナノキ科の1年草(1年で開花、結実し、枯死します)。今年の四万十川はとにかく雨(降雨日数)が少なく、どの植物も脱水症状(水切れ)気味です。この植物もみな、へなへなになっていましたが、それでも健在でした。自生地が不用意な草刈りや工事などによって次々に失われ、高知県絶滅危惧種より少ない状態になっています。

(2013年9月26日撮影、高知県宿毛市)

メハジキ2

●メハジキ(四万十川百名花の48)

この花も最近では出会うことが大変少なくなりました。越年性の一年草で、何気なく除草されてしまうことが多く、同じ場所になかなか定着出来ません。生育初期には卵心形の根生葉がありますが、花期には無くなります。生育中期には、茎葉は3つに深く裂け、裂片はさらに羽状に裂けることから、全体に大麻に似た雰囲気がありますが、茎が四角いことから区別できます。花期になると上部にヨモギに似た葉をつけますが、葉裏が白くならないので区別できます。古くから妊婦さんの薬としてよく知られており、益母草(やくもそう)の名もあります。(2013年9月2

6日撮影、高知県宿毛市)

ツリフネソウ2

●ツリフネソウ(四万十川百名花の89)

里山の湿地に生える一年草で、茎が分岐して大きく広がるので花づきが良い。四万十川では四万十町窪川、中土佐町、四万十市のトンボ自然公園などが主な自生地。ほ場整備、道路工事、水路のコンクリート三面貼り、公園化、アシ(ヨシ)による自生地圧迫と言った典型的な里山開発によって、自生地が減りつつあります。自生地では群生して、盛んに種子を生成します。花は鮮やかな紅色で、吊り舟(花器)に似た独特の形をしており、一つの花を見ても、群生した様を見ても、観賞価値が高い植物です。

(2013年9月29日撮影、高知県四万十市)

オギノツメ

●オギノツメ

暖地の湿地にややまれに見られます。高さ30~60cmとそれほど大きな植物では無いので、同じような環境に生える大型のケイヌビエ、ヌカキビ、それに外来種のアメリカセンダングサなどとの競合に弱く、適度な人的管理を必要とします。葉は普通、線状披針(ひしん)形ですが、同じ仲間のキツネノマゴと混生するところでは、葉の幅が広いものも見られます。四万十川で確実に見られるのは、四万十市のトンボ自然公園くらいです。

(2013年9月29日撮影、高知県四万十市)


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