ウグイ:コイ科Tribolodon hakonensis:全長40cm

北海道、本州、四国、九州および近隣の島嶼。清流の中流域を中心として、上流から下流域に至る転石の多い淵などで多く見られる。

四万十川流域では一般的に「イダ」と呼ばれる。中土佐町大野見などの上流域では、12月~2月に渕底の岩陰に隠れているイダを、竹の先に縛り付けたイタチの皮で追い出して獲る「イタチ漁」を行っていた。獲ったイダは焼き干しにして出汁をとったり、炭火で焼いたり、一度空焼きしてから醤油と砂糖で甘辛く味付けて食べたりした。今ではこの時期に建網を入れることができないのと、イダを食べる人が少なくなったのとで、見ることが出来ない。

桜が咲く頃になるとウグイは小礫のある瀬に集まって産卵するが、これを「タチイダ」とか「イダが立つ」と言って、投網で獲る。サイ(苔)の付いていない礫を好むので、1メートル四方くらいを鋤簾などで掻いて礫を綺麗にし、そこにイダを寄せて獲ったりもする。中村近辺では「イダが立つのは申酉の日だ」といって、暦とにらめっこしながらイダを獲る相談をする人の姿が見受けられる。