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組合長 堀岡喜久雄氏

堀岡組合長(右)、事務員山口さん(左)

子どもの頃から川の端で育った。四万十川では川漁を主にする。特に好きなのは網漁、投げ網が好き。鮎を見てそこを狙って獲るのが面白い。道具を自分で作ってやってみるのが楽しい。組合長になったのはたまたまだ。組合長になって、少しでも組合員のためになるように、違反防止や増殖のことを取り組んでいる。

四万十川中央漁業協同組合の基本情報

  • 組合員数:313名(正・准込み)
  • 管轄範囲:後川の合流~口屋内の大橋の下
  • 主な漁:「落ち鮎漁」。12月1日から10日間くらいが最盛期。鮎、鰻、エビ、ツガニ、ゴリ、アオノリ。ゴリは特別な許可がいる。
  • 組合員の特徴

アオノリは10人くらいだけ。これだけやる人はおらず、組み合わせてやっている。特に多いのは落ち鮎漁。12月1日の解禁日に、多い時は6000人くらいが集まっていた。今も、数日前からソワソワとして川を見に来る人や、解禁の日のために場所どりを始める人もいる。解禁日が平日だと仕事を休む人もいる。今でも、数百人が解禁の号令とともに一斉に川へ出る。夏の鮎は獲らない人もいる。

副業でやっている人や楽しみでやっている人が大半。専業は何人かだが、火振り漁で子どもを大学に行かせた人もいる。頑張ればそれなりの金額を稼いでいる。相続で組合員になっているだけの人も多い。みんなこだわりが強くて、俺が一番だと思っている。年長は90歳、最年少は、20代の人がいる。

  • 取組

1.増殖放流:鮎・鰻・ツガニの放流をしている。

2.鮎産卵場の保護:落ち鮎漁の時に一定区間進入禁止とし、鮎が産卵する場所を保護している。

産卵場整備中

3.流下調査:孵化した稚鮎が海へ流下する量を時期になると定期的に調べている。

流下調査で採取した鮎の稚魚

4.遡上調査:成熟した鮎が遡上していく量を定期的に計測している。

遡上調査中 白いシートを通った鮎を計測する

5.監視:10月15日~11月30日は禁漁期。落ち鮎漁前の11月の1か月間は毎晩監視する。夜は物騒なため2人体制で監視を行う。解禁日は、違反した漁をしていないか早朝から見回りをする。

落ち鮎漁解禁前の朝5時半
注意喚起中

6.子供への体験:大用中学校、中村西中学校、地域の幼稚園、蕨岡小学校、具同小学校へ体験講座をしている。要望をもらって理事と話して決めている。子どもの川への関心は昔と変わってないのに、川は怖いというイメージから学校や親が川に行くことを禁止しているため、遊び方を知らない。ちょっとでも川に関わってほしいという想いでやっている。

中村南中学校の投網体験教室を開催

Q四万十川中央漁業協同組合の課題とこれから

高齢化で漁師が減少している。若い人がいなくなった。これは全国の内水面をはじめ1次産業全体がそうだ。遊びがたくさんできたから、川で遊ばなくても楽しめるようになった。昔は遊ぶものがなくて川に行くか山に行くかしかなかった。

このままだと、組合が存続できない。4単協(下流・中央・西部・東部)が一つになるかもしれない。昔は、四万十川は豊かだったから4単協あっても十分収入があった。今は、若い人は川漁だけで生活できない。昔はお金がなくても、日常の生活として食べるものを獲ってくるための漁をすればよかった。

Q四万十川に対しての想いを聞かせてください。

四万十川が好き。川のことをついつい考えてしまうし、恋してる?!雨が降ったら、鮎が寄ってきたか・・・とか思ってしまう。

昔と比べたら透明度や生物の豊富さは落ちた。だけど、四万十川は豊かだと思う。四万十川がやせてきたのはそのとおりだから、どうにかしたいと思う。何とかしたい。漁師みんなが思っていることだと思う。

Q川漁をしたい人達へメッセージ

川漁をしたいなら川漁をしている人と仲良くなって教えてもらえばいい。それができないなら、川漁体験の機会を探していってみる。漁場とか獲り方とかそんなものは教えたくないけど、話しかけたら何やっているかとかは楽し気に教えると思う。

川漁をやってみないことには組合に入っても何もできず終わってしまう。まずはやってみて、自分に合うか試してほしい。

中央漁協の事務所
中央漁協の初代からの看板

四万十川中央漁業協同組合

電話:0880-34-2446

住所:四万十市中村四万十町25


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