今回の四万十川大人塾、鰻の延縄漁は2回目の挑戦です。

舞台は中津川(支川梼原川の支川)です。流域の中でも水質が特に良く地元住民からも人気絶大!

1日目(2022年7月9日)

当日、下見で早く現場へ行きました。現場に着いた瞬間、急に降り出す雨と雷!これは、大変だ・・・。現場は携帯が通じないので、電波のある場所まで出て雲の流れを確認し、緊急スタッフ会議。この後雲の切れ間がありそうだということで、開催時間を1時間短縮し、実施場所についてもすぐ逃げられるように狭くすることにしました。昨年もこんなことがあったよね、、、その後いい鰻が獲れた!と前向きに考えながら、塾生の皆様をお迎えしました。

今回の講師は四万十町大正の武政賢市さんです。東部漁協の組合長をされ、中津川に詳しい方。

(右)武政賢市さん

挨拶もそこそこに、小康状態のうちに仕掛けに行きます。今回の宿題は「エサを獲ってくること」でした。ハヤンボの冷凍、今朝釣ってきたハヤンボや鮎などなどなど。皆さんたくさんのエサを持ってきてくれていました。仕掛けは、第1回の講座で作ったものだけでなく、何個か増やしている人も。しかも、錘や浮き、紐も工夫を凝らしたものになっています。さすが・・・!やる気が違います。

準備ができたら、急いで川へ。武政さんから「上流に向かって岩の口が開いている穴の前」「川が合流して水がぶつかっているところ」がポイントだとヒントを頂き、各々思うところに仕掛けをつけます。見える範囲だけだったのであまり広くはない範囲ですが、全員で40本以上つけたのではないでしょうか。一本針ではない延縄(紐に30本くらいの針をさげる)を自作した人は、岸から長く伸ばしてつけてみました。これで、この辺りの鰻は一網打尽だ~!

仕掛けた後、武政さんからこの周辺の鰻漁の話を詳しく聞き、非常に勉強になりました。延縄、コロバシ以外にもウナギのひご釣りやアユの球ジャクリなど中津川ではまだ現役で漁をする人がいるようです。ますます面白い中津川です。

雨がしょぼふる中、明日へ期待して解散!

2日目(2022年7月10日)

一夜明けて雨もシトシト降り続き、これは鰻漁にとって良い兆し☆獲れているのか、いないのかソワソワしながら全員で仕掛けを上げに行きました。

最下流から順番にあげていきます。そろそろ~と第1号があげてみます。あれ~エサだけ出てきました。さあ次。なかなかかからない・・・。そろそろ仕掛けも少なくなってきましたが、それでも付いていない・・・。カニや他の魚に食べられたエサが上がっていきます。岸から渡した延縄もせーのであげますが、かかってない!!!固唾をのんで見守るとはこのことかと思うほど、全員で上がってくる仕掛けを見つめました。期待していた川の合流地点の仕掛けもボウズが続き、いよいよ最後。んんん?何かいる・・・大きなハヤンボ!

なんと、今回はハヤンボが2尾獲れたのみ。鰻はかからずでした。

感想の中にも「天然鰻は甘くない。」という言葉がでてきました。その通りです。第1回では獲れた天然鰻ですが、本当に希少なのです。

前日に雨が降り川の水が動く、雲がかかり月もない暗い夜。これは鰻漁の好条件だったのですが、難しいですね。大きな学びを得ました。武政さん曰く、「これが『漁』というものだ。」。

今回の大人塾はこれで終了!

ウナギは獲れませんでしたが、塾生の中に友釣り師がいまして、何と鮎を持ってきてくれていました!鰻用に準備していたセットをそのまま鮎の塩焼きに使って、美味しい鮎を食べきりました。ごちそうさまでした~!