地域の素材で楽しむ 毛鉤づくりワークショップ に行ってきました。講師は財団の環境学習にもたびたびスポット参戦してもらっている中地シュウさん。場所は大月町小才角のCOSA。

はじめに、毛鉤の基礎講座。毛鉤はサケ科の渓流魚を対象とした毛鉤と、アユやオイカワなどを対象とした小さい毛鉤と大きく2つに分けられ、前者は山に暮らす人たちが使いましたが、後者、中でもアユを対象とする鉤(アユ毛鉤・蚊鉤とも)は、主に武士たちの趣味の釣りに使われました。京都から全国に広まりましたが、名高いのが播州、加賀、そしてわれらが土佐の鮎毛ばりです。秋田も有名ですね。土佐には土佐刃物の伝統があり、その技術を活かして釣鉤が作られたといいます。高知市の菜園場には天明元年創業の丹吉鉤の店舗がまだ残っています。

(余談)明治のハワイの開拓民の間では、なかなか開拓が進まない初期、高知出身者の持っていた丹吉針による漁獲で食いつなぐことができ、開拓民の間で大いに感謝されたという。
 そのため、ハワイのマキキ教会にはキリスト教会であるにもかかわらず、神棚が設けられ、丹吉針がご神体として祀られているという。そういう縁もあって、現在でもハワイには丹吉の直営店がある。(高知SGG善意通訳クラブさんのブログより引用)

話がそれました。ここからは毛鉤の基本的な巻き方の講習。はじめに、鉤をバイス(鉤を固定する道具)に固定します。

実は、ここが毛鉤づくりをやってみたい人にとっての第一関門です。ご存知の方も多いかと思いますが、この「バイス」、いいお値段。ちょっといいもので3万円くらいします。

そこを手作りで何とかしてしまうのが中地さんのすごいところです。手術で使う”鉗子(かんし)”と穴をあけた木片のセットで代用します。これはすごいアイデア。

他にも、手作りの道具がいっぱいありました。

ここから、巻き方を写真を使って説明しようと思ったのですが、残念ながら巻くのに一生懸命で、部分部分の写真がありません。ということで、みなさんの作品。興味のある方は、そのうちまた開催するそうですので、COSAのワークショップに参加してみてください。楽しいですよ。

参加者の巻いた毛鉤 左が天明1(1781)年創業の丹吉鉤。