徳島県で活動している「NPO法人川塾」が企画する「みんなの川づくりフェス」に参加してきました。川塾さんは、今年度のいい川いい川づくりワークショップで一緒に森清和賞を受賞した川仲間。年間約3,000人を川に連れ出して遊ばせるという、パワフルな活動をされています。川塾の代表である塩崎さん(通称ぺぺさん)とは、いい川づくりを皮切りにいろんな川イベントで川を合わせるようになり、同じ四国内の団体ということもあって、交流させてもらっています。

「川で遊ぶことで川底の石が動き、川が洗われ、いい川になる。川遊びもいい川づくりなんだよ。」
今回のイベントは「 川づくり 」をテーマに、楽しみながら、みんなでいい川を作っていこう!というもの。会場である神山町の高瀬休憩所周辺の鮎喰川には、親子連れの参加者がたくさん集まっていました。川遊びイベントにこんなに参加者が集まるのは素晴らしいですね。小さなお子さん連れの方も多く、親御さんが小さなお子さんをお守りできるブースも用意されていて、気配りが行き届いているなと感じました。河原にはおしゃれなテントが並び、受付には、塩崎さんと共同でイベントを主催している「パドルブリュー」さんの特製ドリンクも用意され、私たち財団にはないおしゃれさが充満していて、会場づくり一つとっても見習うところが多かったです。



この日は、 ①鮎喰川の水槽づくり 、 ②小さな自然再生 、 ③水生昆虫探し の3つのプログラムが用意され、それぞれが行きたいところに参加するという形で行われました。わたし(羽方)は、特別ゲストが担当する水槽づくりに参加。講師を務めるのは、Instagramのフォロワー30万人越えのインフルエンサー、「少年の水族館」の おけさん と 雲丹さん です。「 水槽持ってどこまでも 」がキャッチコピーで、日本各地の川で現地の水・植物・生き物を採取して、そこの環境を水槽の中に再現する動画を投稿されています。今回は鮎喰川の中を再現しました。


まずは川の石を集めて、水槽に敷いていくところから。スコップとざるで河原の石を集め、川の水で洗ってから水槽に入れていきます。参加していた子どもたちもやる気満々で、手際よく作業を進めていきます。ざるで石を洗う姿は、ちょっとアサリ捕りをしているよう(笑)。石が敷けたら、いよいよ水槽に入れるための生き物探しです。まずはおけさんが生き物のとり方をレクチャー。石をめくって川底を足でガサガサしただけで、ヨシノボリがとれました。子どもたちも同じように石をめくってはガサガサして、生き物を探します。少し探しただけで、カワゲラやヤゴ、ヨシノボリやヌマエビなどたくさんの生き物が見つかりました。鮎喰川は生き物がたくさんいる、とってもいい川ですね。さらに、おけさんが投網の使い方を子どもたちにレクチャーし、やったことない投網に子どもたちも興味津々で、やりたい子が続出。大人でも未体験という方も多く、子どもに交じって大人も楽しんでいるようでした。











1時間ほど生き物を採取し、いよいよ水槽へ。子どもたちも一生懸命生き物を探していたようで、たくさんの生き物が集まった、賑やかなアクアリウムが完成しました。中を覗くと、オイカワ、カマツカ、ムギツク、ミナミテナガエビ、アカザ、シマドジョウ、カワヨシノボリ、ヌマエビ、オオヤマカワゲラなどなど、、、鮎喰川の生物多様性の高さがわかりますね。アクアリウムのレイアウトにもこだわりがあるそうで、高低差を付けることで、川の上流と下流を表現しているんだそうです。神山町はスギが多いということで、装飾に杉の葉っぱも使われていました。自分たちでアクアリウムを作るのは、子どもはなおさらのこと、大人でもとてもワクワクする体験でした。四万十川でも、子どもたちとアクアリウムづくりをやってみたいですね。








川でめいいっぱい遊んだ後は、少し座学のお時間。少年の水族館のお2人、そして徳島県で淡水の生き物を撮り続けている水中カメラマン、庄野耕生さんのお話しを伺いました。少年の水族館のお2人は、ともに近畿大学の水産学科出身とのことで、大学のクラブ活動で海水・淡水の生き物を採取して展示するという活動をしていたとのこと。その時に、おけさんが生き物採集、雲丹さんが展示係で活動していたことが今に繋がっているそうです。今でもおけさんは生き物好きで、最近はメコン川に水槽を持って遠征し、生き物との出会いを楽しんできたそう。一方の雲丹さんはボトルアクアリウムづくりが趣味で、体験プログラムも実施しているとのこと。ボトルのなかで生態系を再現しており、エアレーションなしでも生き物が生き続けられるんだそうです。アクアリウムづくりは、レイアウトを考える芸術的な要素だけでなく、水中の生態系を考える科学・環境的な知識も必要で、その奥深さが魅力なんだと教えてくれました。
また、庄野さんは、徳島県・高知県の河川に潜っては、生き物の写真を収めているという方。なかには徳島県や四国で初確認された生物に遭遇したこともあり、研究機関と連携をとり、調査・研究にも協力しているそうで、学会誌に写真が掲載されることもしばしばあるんだとか。そんな庄野さんの本業は別にあって、水中カメラマンは一応趣味というから驚き。撮影では最高の一瞬を捉えるために2時間動かずに粘ることもあるそうです。美しい生き物の姿を写真に残しながら、学術的にも貴重な発見を続けている、熱量のこもった活動に圧倒されました。



すっかり日が落ちた18時に全てのプログラムが終了。13時から始まって5時間、中身の濃いプログラムで、あっという間でした。このイベントを通して、鮎喰川のポテンシャルの高さを感じましたし、川塾の周りには熱量の高い個性的な川好きがたくさんいるんだなとわかりました。徳島県の川界隈も、めちゃくちゃ面白いですね。ぜひこれからも、交流を深めていけたら嬉しいです。
