今年度から中村高校西土佐分校全校生徒と「川漁」の授業をすることになりました。きっかけは昨年から始まった四万十川大人塾です。今年の募集チラシを持って行ったところ、四万十川の近くに高校があるからこんな授業も面白いね~という話から発展し、大人塾卒塾生が勤務していることもあり、総合の授業で取り組むことになりました。

川漁ってなんだ?の授業

西土佐分校は支川目黒川のそばにありますが、ほとんどの高校生は川漁をしたことないようです。そこで、まずは川漁の基本知識から。川にいる魚、漁業権、漁業権対象種、漁期などなど、川漁をするうえで知っておかなければならないことを学んでもらいました。

川エビ漁にチャレンジ

基本知識を学んだあとは実践あるのみ。

川漁をするには漁業権が必要ですが、今回は漁業権対象魚種ではない「川エビ」を狙うことにしました。

エビ筒を作る

川エビを獲るには、エビ筒を使うことが多いです。エビ筒とは、塩ビパイプに入ったら出られない仕掛けを取り付けたシンプルなもの。販売はされておらず、漁師の間でどんどん進化してきた漁具です。一から自分たちで作ってみましょう。

塩ビパイプに穴をあけ、網や紐をつけていきます。

学年ごとの作業でしたが、それぞれ工夫して、とてもきれいなエビ筒もできました。学校でつくって販売するか?!という冗談もでるくらい。生徒だけでなく、先生も張り切ってエビ筒を作ってくれました。

完成間近のエビ筒

エビ筒を川に!

エビ筒は1人1つ作成。これを川につけに行きます。エサは米糠。各自どんな場所が良いのかを考えながらつけてもらいました。

川エビの棲みかは浮石が多くエサが豊富な場所。エサのにおいで誘われるので流れを意識して筒を配置します。増水時は水の引きも考慮して少し深場が良いのかも?

仕掛けたエビ筒は上に石を置いて固定します。深場に行き過ぎた子は石が拾えず苦戦!ビショビショになりながらエビ筒をしっかりセットできました☆回収は、3日後・・・

ちらほら川の中に見えるエビ筒の列

エビが獲れた?!

エビ筒を仕掛けて3日後、エビ筒を回収に行きました。通常は翌朝にあげますが、数日なら川に置いていてもエビは死にません。

エビ筒をあげると、音がする。カサカサ・・・いた~!!!

30個近く仕掛けましたが、ほとんどにエビが入っていました。多い人は1つのエビ筒に5尾の川エビが入っていました。

いるいる!!と声をあげながら、大漁の内に終了。

とれたエビは、昼食の時間にに塩焼きや塩ゆでで食べてもらいました。

良い川が目の前にある最高の環境なので、どんどん川に行って、エビを獲って食べてほしいものです。西土佐分校の新たな授業、とても楽しかったです。2学期も何かやるようですので、またお手伝いします。

川エビにハマった西土佐分校

後日、理科の授業でもエビ筒を仕掛け、飼育まで考え始めたと報告を受けました。とても嬉しいことです。また、収穫祭という西土佐分校の行事で川エビを使った料理を出すということで、参加させてもらいました。

西土佐分校で収穫した野菜と、エビを使ったカレーを作ったようです。エビの塩焼きも堪能していました~。

こんなにハマってもらって、嬉しい限りです。エビ筒は自由に使えるように置いていて、米ぬかも自由にとれるようになっています。近くの寮で生活する生徒は何度か川にエビを獲りに行き、実家の家族に食べさせてあげたというエピソードも聞きました。とても素敵な経験!

素敵な授業に協力させていただきありがとうございました。2学期は網投げに挑戦?!