「生物多様性こうちプラン大賞」は、高知県内の生物多様性を守る活動や持続可能な取り組みを発表する場で、今年で5回目の開催となります。今年は9つの団体が集まりそれぞれの活動を発表したほか、特別ゲストとして、徳島県から「認定NPO法人とくしまコウノトリ基金」の森さんをお招きし、コウノトリの保護推進活動についてお聞きしました。


まず認定NPO法人とくしまコウノトリ基金さんのお話は、コウノトリが過ごしやすい環境づくりや、支援の輪の広がりについてでした。コウノトリは2015年に初めて徳島県に飛来して以降、2017年には繁殖にも成功し、毎年たくさんのヒナが生まれています。ドジョウやフナ、タニシなど、田んぼにいる動物が主食なので、主に田んぼで活動するそうですが、レンコンの産地である鳴門市では、レンコン畑にコウノトリがいることが多いそう。一年中水を張っているため、エサになる動物が年間を通して獲れること、泥が固く足場が安定していることなど、コウノトリに適した環境が揃っているとのことでした。何よりも農薬を使わない、環境に優しい農業に古くから取り組んできたことが、コウノトリが定着する要因の一つになったようです。
繁殖が増える一方で、高齢化もあり耕作放棄地が増加。コウノトリが過ごせる環境が少しずつ減っていくなかで、耕作放棄地にビオトープを整備し、環境づくりを行っているとのことでした。この活動は民間主導で行われており、ボランティアチームを結成して、年間を通して草刈りなどの活動をされているとのこと。ビオトープと水路をつなぐ魚道を作り、魚の往来をスムーズにしたり、魚の産卵場所を整備するなど、生物多様性につながる活動にも力を入れており、とても素晴らしいなと感じました。また、有機米を地元の大学生と一緒に栽培し、そのお米で作ったお酒の販売などにも力をいれているとのことで、商品を通じて取り組みを知ってもらいたいとのことでした。活動はこれだけにとどまらず、寄付付き商品を多数展開し、ビオトープ整備の活動資金に充てているとのこと。基金の皆さんだけでなく、地元の農家さんや商店、環境教育、住民団体と連携しながら幅広い活動をされており、地域全体でコウノトリを守る体制ができていることが素晴らしいなと感じました。




活動発表では、県内から9つの団体が参加し、それぞれの取り組みを発表しました。大学生による狩猟サークルの取り組みや、今年新たに発足した鏡川の水生生物を研究するグループ、外来種の駆除に取り組むユーチューバー、クジラのうんこを回収して生態研究に役立てているお話しなど、山・里・川・海にかかわる幅広いジャンルの活動が共有され、とても活気のある発表でした。なかでも個人的に気になったのは、NPO砂浜美術館さんの「クジラのうんこプロジェクト」。もう名前が魅力的すぎます。ホエールウォッチングの際にお客さんと一緒にプランクトンネットでクジラのうんこを回収しているそうで、お客さんも一緒になってクジラがうんこをする瞬間を血眼になって探す、というなんとも面白いことをやっているそうです。ぜひ参加してみたい、自分もうんこ回収の場面に立ち会いたい、そんな思いになった方も多いのではないでしょうか。とったうんこのサンプルは専門の調査機関に送り、生態調査につなげているそうで、なんとこの取り組みのDNA解析の結果、砂浜美術館の館長はニタリクジラではなくカツオクジラだったことが判明するなど、ちゃんと成果も出ているんだそう。ユニークさと専門性を兼ね揃えたとても魅力的な取り組みだなと感じました。


選考委員による選考の結果、以下の取り組みが表彰されました。今回の大賞は、鏡川水生生物研究会の「鏡川水生生物研究会の発足と活動」でした。代表の小野さんは高校生で、その専門性の高さと熱量に会場内の多くの大人たちが圧倒されていました。おめでとうございます。
<大賞>
鏡川水生生物研究会 -「鏡川水生生物研究会の発足と活動」
<奨励賞>
○四万十市立東中筋小学校6年生 -「「四万十つるの里づくり」をつなげ隊」
○特定非営利活動法人NPO砂浜美術館 -「クジラのうんこプロジェクト」
○WAvert(高知工科大学古民家サークル)とにろうのべいす環境改善推進協議会
-「にろうのべいす ー自然とのつながりを結いなおす里山空間のお手入れとは?ー」








