京都大学(フィールド科学教育研究センター)が全国で一斉調査している「里山の土壌を知るプロジェクト」に四万十川財団も協力しました。

全国で33サイトあるようです。。

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調査はまず「場所決め」からです。広葉樹の里山で伐採区と対照区(伐採なし)を見つけなければなりません。細かい規定があり、まずここで苦労しました。なんとか探し出し、樵でもあるスッタフ中平の施業地で調査する事になりました。調査の流れはこんな感じです!

1.場所決め
2.調査場所のロープ張り
3.落葉採取
4.土壌採取
5.樹木調査
6.樹冠開空度調査
7.下層植生調査
8.サンプル発送
9.調査票報告

場所さえ決まれば、割とスムーズに調査は進みましたが、どうしても進まない調査がひとつだけありました。それが「樹木調査」です。樹木の胸高周囲を測定するのは簡単でしたが、樹種の同定(特定)が一筋縄ではいきませんでした。現場で図鑑2冊とアプリも駆使して、樹皮や葉を手掛かりに調べますが、どうしても同定するところまでたどり着きません。これじゃないかな~という候補が見つかっても我々では自信がもてません。しかも調査対象は50本もあります!結局、この日(10/11)は諦めて、後日、専門家に同行してもらうことになりました!

10月30日 樹木調査リベンジ

「えこらぼ」さんから紹介していただき、長年、植物調査をされている黒潮町の田城光子さんに同行していただき、樹木調査のリベンジに十和地区の某所に向います。さすが!という感じで、50本もある樹木の同定作業がどんどん進み、あっという間に終わりました!

田城さんは、植物が好きだった亡きご主人に同行しながら、研鑽を積み、植物に詳しくなられたそうです。最初はご主人に間違いを指摘されてばかりだったようですが、最後には「追い抜かれたね」と認めてもらったと嬉しそうに話してくださいました。

道中の車の中でも植物の話で盛り上がり、いろんな企画案も出てきました。そんなこんなで、今後とも財団の心強い助っ人になっていただくべくリバマスになってもらいました。

同定作業中の田城さん

樹木の調査結果はこんな感じでした!

1.ツブラジイ…圧倒的に多い。裏から見た葉の色が薄黄緑色。
2.アラカシ…樹皮はシイに似ている、葉がギザギザ(鋸歯)
3.ネジキ…樹皮がねじれている。
4.アセビ(馬酔木)…毒があり。シカも食べないため、たくさんあった。
5.ハゼノキ…かぶれに注意。
6.ソヨゴ…葉が風にそよぐことに由来。葉がアセビに似ていた。
7.ホウノキ…葉に特徴があり。
8.カマツカ…鎌の柄に由来。若葉は食用にもなる。
9.モチノキ…鳥糯(トリモチ)に由来。
10.カナメモチ
11.ウラジロノキ
12.サカキ…互生する葉の付け根に若葉が、鎌状に巻いている。
13.クスノキ…樟脳として利用。
14.ケンポナシ…ナシのような甘みのある果実ができる。

全ての調査結果は一旦、京大に提出し、来年度、調査結果を踏まえた交流会があるようです。どのような知見が得られるのか楽しみです!