毎年、漁協関係者、行政を対象に、高知西南中核工業団地(宿毛市)の水質報告会が行われています。報告会に合わせて、四万十川に関する研修会も行われます。今年は、河川水生動物調査 代表 平賀洋之先生と(株)西日本科学技術研究所の沢田隼先生のお二人が「近年の四万十川におけるアユの生息・育成実態」について講演されました。

沢田先生からの発表では、アユの遡上期・定着期・降河期の調査発表が行われました。

遡上期…気候変動や産卵時期が安定しない事によって、遡上サイズの小型化が見られるそうです。

定着期…天然アユの推定生息数についての報告があり、上流と下流では基準値の半分程度、中流域では基準値に達する年があることが分かりました。四万十川全体では、720万尾(基準値)のキャパシティがあるそうです。

降河期…年によって降下のタイミングが異なる事や水温や水量によって変化する事が報告されました。

平賀先生の発表では、アユの漁獲量の推移やその変動要因について報告がありました。漁獲量の減少は全国的に見られる傾向ですが、四万十川では減少が他の河川に比べて特に顕著だそうです。

そうした要因を探っていくとともに、アユ資源の回復に向けて提言がなされました。産卵のために残すべき親魚の保全策の実施や、そのための流域間での合意形成や継続的な調査活動の重要性が指摘されました。

その後の質疑応答では、四万十川漁連の金谷組合長から、2025年に30㎝前後の「尺アユ」が本流で激増したのは何故か質問があり、平賀先生からは生息数が減るとアユが巨大化する傾向があると返答がありました。その他にも、活発な意見交換が行われました。

最後に宿毛市企画課より高知西南中核工業団地より水質調査の発表があり、オールクリアだった事が報告されました。