四万十川財団では、川は山からということで森林保全の活動をしています。特に、自伐型林業の考え方は川を守る視点からも非常に重要なものです。その自伐林業を四万十市で営む宮崎聖さんのところへ自伐林業を学びに行ってきました。

四万十市の街中から30分ほど山にはいったところにある鴨川という地域です。

早速ヘルメットを着けて山に入ります。林内作業車も動かしながら。

沢を超えて、少し歩くと林内作業車が入れるくらいの作業路があり、大きなスギが多くたっている開けた場所につきました。

着いて早々、これ切るぞと大きなスギを切り始める宮崎さん。

腕が回らないくらい太いスギでしたが、わずか5分で伐倒!!

ユンボも使っていましたが、ちょうど作業路の真ん中にきれいに倒れました。

それから、最近の市場の価格を表にしたものを見ながら、芯径と長さを微妙に良いバランスを探りながら切り出します。この木一本、どの長さ、どの径なら一番高く売れるのか。しっかり計算して出します。

切ってすぐのスギ

今回は、佐川町の地域おこし協力隊で林業を行っている方々も一緒でしたが、まず、お金になる木を切ってから、余裕をもって教える時間を作る。

作業時間は本当に少なく正確です。

伐倒してから切り出しには1時間もかかっていないようでした。

他に2カ所で伐倒にかかっていましたが、この2つは難航。

1カ所目は、伐倒方向が悪く、他の木にかかってしまいました。二股の木で重心を見極めるのが難しく、ロープやウィンチで予防策をしていましたが、ツルが甘くロープの位置も計算不足で思った方向に倒れなかったようです。このかかり木を処理するのに、ロープを使って試行錯誤の末、ユンボで引っ張って2時間ほどで処理を行いました。

かかり木した木。他の木に3,4本かかってます。
模索してツルを完全に切った
ようやく伐倒
立派な二股のヒノキでした

2カ所目は、重心が完全に作業路と真逆の沢に向いており、ロープをかけて伐倒を行おうとしてましたが、他の木が邪魔してなかなかかからず・・・スギは枝が弱く、かけてもすぐ折れてしまうようでした。何とかかけて、重心と真逆に倒すため、ユンボで引っ張りつつ、慎重にくさびを入れて少しずつ倒していきます。緊張が走ります。くさびを二重に重ねて打ち込み、ユンボでひっばるを繰り返し、無事に伐倒。

対面の木にロープを張る
うけを先に作って
目標の方向へ伐倒

なぜ、かかり木をしても元切りをせず、かかった木を切らないのか。それは危ないからです。かかった木は、鹿に食われて細いので価値がないように見えるが、数年したら太って傷も気にならなくなり、また、この木がお金になってくれるからです。一番やってはダメなことだと言っていました。

なぜ無理に重心と逆に倒すか。それは作業効率がいいから。沢に倒すと、倒すのは楽だけど、後の時間がかかりすぎるのです。木も傷つくし、良いことはない。倒す方向は非常に重要で、見通しを持って作業効率を考えるべきだと言います。

ここで午前中の作業は終了し、お昼ご飯へ。

一番に切った木を林内作業車に乗せて搬出。林内作業車はかなり不安定。ものすごい重さの木を運ぶので当たり前なのですが、ここでも重心が重要です。この作業車での事故が多いらしく乗せ方を間違うと大事故に・・・

林内作業車での搬出

午後からは午前中に倒した気を造材します。

木の価格表から今はどの長さ、径が一番高くとれるのか。その木の特徴を見極めながら造材していきます。

どの長さで行くか考え中
出荷前の整形

この日に切った木は3本だけ。

一本の価格を計算しながら、効率よくやれば十分だと言います。

かかり木で時間はかかっても、丁寧に無駄なく計算していけばこれだけのお金に返していける。これをしていけば、自分に何が足りないか見えてきて、効率的になればもっと稼げるようになるのだと。

終わったのは4時。かなりもたついたところもありましたが、作業時間は5時間です。

今回、同行させてもらって、林業の現場を初めて知り、危険なことや重労働も多いですがとても可能性と魅力を感じました。

仕事としてはお金を稼ぐことが一番重要です。その視点を忘れて作業になってしまうと、同じ作業で同じ時間なのに雲泥の差ができていくのだと思いました・・・。

これから、財団として森林にどうアプローチするのか。森林を守っていく人たちのために必要なことはなにか。

今回、現場を知ることができて新しい考えを入れることができました。まだ勉強不足ですが、これからに生かしていきたいと思います。